研究課題/領域番号 |
20K13052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
當山 奈那 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90792854)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヴォイス / 使役 / 受動 / 授受 / 琉球諸語 / 利益性 / やりもらい表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「琉球諸語の受動、使役、授受にはどのような文法的なバラエティがあるのか?」、「受動、使役、授受はどのような相互関係をもっているのか?」という問いについて、現代日本語も含めて、受動、使役、授受の多様性の有り様、その生成の原因と変化過程を明らかにすることを目的とする。
琉球諸語・日本語諸方言研究におけるヴォイス研究の発展や、琉球諸語の記録保存継承に関わる活動に寄与しうる。
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研究成果の概要 |
本研究は、UNESCOに危機言語として認定された琉球諸語内の6つの主要な言語(奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語)の中の数地点を対象に、複数地点の地域方言について、面接調査、談話資料の分析に基づき、受動文、使役文、授受文の記述を行った。各方言のヴォイス体系を明らかにし、それぞれの記述に基づいた方言相互の比較対照を行うことで、琉球諸語全域のヴォイスの構造、文法形式、意味の発展の方向性を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、琉球諸語内の言語バラエティを前提とした、方言相互の共通性や創意性をふまえた方言個別の詳しい記述を行った。先行研究が少ない受動、使役、授受に関わる言語現象について研究を行ったため、新しい言語事実を発見できた。さらに、その言語事実について琉球諸語内の言語バラエティを根拠にした理論的説明を行うことができた。また、調査地点の中には、文法研究がほとんどされてこなかった地域もある。母語話者がいなくなった後もその方言を継承していくためには、できる限り詳しい文法記述を残すことが必要である。本研究は、危機言語の継承と再活性化および方言教育への寄与という地域社会に対する貢献にも繋がっていくものである。
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