研究課題/領域番号 |
20K13053
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
苅宿 紀子 和光大学, 表現学部, 准教授 (80608828)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 談話 / 後置 / 話しことば / 副詞 / 繰り返し / 言い換え / 現代日本語 / 雑談 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語の話し言葉においては「楽しかったけどねオレハ」「それ思うホントニ」のように述語よりも後に文の要素を置く現象がみられる。後置現象は話し手が話しながら即時的に言い添えたり情報を付け足したりするために生じる現象であり、その発話内での話し手の意識の推移が現れていると考えられる。この後置現象の観察から、発話の最中にも刻々と変化する「会話の動的な展開の様子」を記述し、話し言葉におけるコミュニケーションのしくみを明らかにする。
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研究成果の概要 |
主な成果は二つある。一つ目は、述部が先行発話に影響を受けて前置する場合があることを明らかにしたことである。述部が先行発話の言い換えや繰り返しになっている例である。二つ目は副詞を例として、後置の用法を明らかにしたことである。〈本当に〉は話題の終盤の発話で述部に後置し、話者の心的態度を示す用法がある。〈たぶん〉や〈絶対〉などは、発話態度の変更や、発話態度を示す表現の追加のために後置になる場合がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
くだけた雑談における発話では、書きことばのような順番どおりに語が並ぶわけではない。書きことばを基準にして考えれば整っていない「破格」であるようにみえる発話であっても、話しことばにおいては不自然に感じられないことが多い。後置現象の分析によって「文」としては破格でも、「発話」として成り立っているのはどのような発話なのか、また、そのような「発話」がどのように機能しているのかを明らかにすることができた。今後の話しことばの研究にもつながるもので、本研究には意義があると考えられる。
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