研究課題/領域番号 |
20K13067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
高橋 佑宜 名古屋外国語大学, 外国語学部, 講師 (90844283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 英語史 / 通時語用論 / 情報導入構文 / コーパス / 歴史語用論 / as for構文 / 古英語 / 言語変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英語史における情報導入構文の特質と通時的な変化に焦点を当て、歴史語用論の観点から同構文の機能―形式の対応付けを行うことを目的とする。従来、情報導入構文に関する研究は、形式―機能の対応付けに着目した意義論を問うものが大半であり、機能―形式の対応付けを行う名称論的な研究は、研究対象の同定が困難であることから、十分に行われていないのが実情である。そこで、本研究は、英語の各時代における情報導入構文を記述・分析し、英語史において情報導入という機能がどのような形式で実現されていたのか通時的変化を考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、英語史上の情報導入構文を広く見渡すことを目指して、主に次の3点について論文の出版と研究発表を行った。
(1) 古英語散文の談話における言語表現の定型性について考察した論文を2023年7月に出版した。多数の聖人の殉教エピソードが収録されている『古英語殉教者録』(Old English Martyrology)を調査の対象として、節レベルを超えた談話における定型性の存在について論じた。各殉教エピソードにおいて語られる内容とそこで用いられる言語形式・表現には慣習的な結びつきがあり、定型化していることを明らかにした。 (2) 継続して行っている中英語から初期近代英語にかけてのas for NP構文とas to NP構文の発達に関する研究内容を論文 “On the Development of as for NP and as to NP Constructions from Middle English to Early Modern English” としてまとめた。この論文をLinguistic and Stylistic Approaches to Speech, Thought and Writing in English [MEA Studies in English Philology and Linguistics 1]に投稿し、原稿受理済みの状態である。 (3) 現代英語においては主題を限定する機能を持つas(so) far as構文と関連表現のas(so) long as構文の17世紀における通時的変化と社会言語学的な変異に関する調査報告を国際会議The 22nd International Conference on English Historical Linguistics(2023年7月5日、於シェフィールド大学)にて行った。17世紀の5世代にわたる50人の作家の作品を含む大規模コーパスEarly Modern Multiloquent Authors(EMMA)を用いて量的な調査を行った。当該表現のasとsoの交替について、世代を超えてasはsoよりも一般的であることが示唆された。著者間では、as/so far asとas/so long asの使用率には中程度の正の相関が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に計画していた内容の多くを実施することができたものの、研究代表者のその他の業務の多忙により補助事業期間の延長を申請せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、英語史上における情報導入構文の成立と定着の過程をas for NPなどの特定構文に注目して調査を進める予定である。
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