研究課題/領域番号 |
20K13076
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 (2023) 兵庫教育大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
岡崎 渉 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90791070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | スピーチスタイル / 上級日本語学習者 / 非デスマス形 / 気づき / 言語社会化 / デスマス形 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語話者にとって,丁寧体・普通体等のスピーチスタイル(以下,スタイル)を使いこなすことは,自己表現や良好なコミュニケーションのために欠かせない。だが,スタイルは実際のところ,文脈に応じてその都度多様な意味を指標する複雑な現象であるため,教師による明示的な説明だけでは不十分である。教師には,スタイルについて学習者が自分で気づき,理解していくことを促す指導が求められるが,そのためには,学習者がスタイルをどう認識するのかを把握しておく必要がある。そこで本研究では,日本で生活する日本語学習者が,日常のどのような場面で,スタイルをどのように理解するのか,その認識はどう変化していくのかを調査する。
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研究実績の概要 |
本年度はこれまで進めてきた以下3点の研究を進め,それぞれ研究論文として発表した。 (1)スタイルの認識を測るための聴解・読解テストの検証結果をまとめた。中上級以上の学習者16名に対し,スタイルの丁寧さを判断する聴解/読解テストを行った結果,学習者は丁寧さを表す表現形式の知識はあっても,母語話者ほどは重視はしていないことが示唆された。 (2)当初予定していた縦断調査を,規模を小さくした事例研究として実施した。これは,新規で来日した中国人上級学習者4名に対し,日本での数か月間の生活を通して,スタイルに対する気づきを逐一記録してもらったものである。4か月から半年間にわたる調査の結果,先行研究の結果と同様に,学習者はさまざまなコンテクストにおけるコミュニケーションを通して,スタイルについての認識と,母語話者による実際の使用との間のギャップに気づき,自分なりにこのギャップを埋めようと理解を図っていることが示された。 (3)母語話者間のデスマス形基調の雑談で用いられる非デスマス形について,その聞き手目当て性の弱さを利用した談話機能が果たされていることを発見した。11組の初対面二者間による雑談計290分を分析した結果,聞き手目当て性の弱い非デスマス形は,受け手の保有する情報に関する発話で用いられることにより,極力次のターンで受け手が何を言うべきかを制約せず,談話展開に非主導的に関与する機能を果たしていることがわかった。 以上が最終年度の研究実績であるが,学習者に対する縦断調査はサンプルが少なく,探索的に行ったものであるため,今後さらに同様のデータを収集し,学習者のスタイルに対する認識とその変容について,一般化および理論化を図っていく必要がある。
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