研究課題/領域番号 |
20K13078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
藤 美帆 広島修道大学, 人文学部, 講師 (40778825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 葛藤要因 / 背景 / 交流 / 協働 / 参加動機のズレ / 専門性 / 葛藤内容 / 対処方略 / 外的要因 / 意識の差 / グループ活動 / PM理論 / 状況 / 計量テキスト分析 / 異文化接触 / 国際交流 / 外国人留学生 / 国際共修 / 異文化間葛藤 / 対処行動 / 学習過程 |
研究開始時の研究の概要 |
大学への国際化推進の要請が高まる中、日本人学生と外国人留学生がグループ活動を通じて異文化コミュニケーションについて学びあう国際共修が注目を集めている。これについては、これまで数々の教育効果が報告されてきたが、実際の教育現場では学習成果を得る過程においてクラス内での様々な衝突や葛藤が散見されている。しかし、それらは漠然とした問題として捉えられ、成長促進的な学びのリソースとなるのか、または関係に亀裂を生じさせる原因となるのかは、その場の雰囲気等の偶然性に委ねられてきた。 そこで、本研究課題では円滑な授業運営方法の確立を目指し、国際共修のクラス内で生じる異文化間葛藤と対処行動の解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、国際共修場面で生じる異文化間葛藤を解明することである。それにより、国際共修クラスの円滑で効率的な授業運営方法を確立するための知見を得ることを目指している。三年目にあたる令和4年度は、主に以下の3点の研究に取り組んだ。 第一に、学生を対象とした質的研究である。令和3年度までに取り組んだ質的研究からは、学生間に生じる葛藤の要因、内容、対処方略について、国際共修場面ならではの特徴が明らかとなった。令和4年度には葛藤要因に関する知見を論文化し、研究成果として公開することができた。さらに、それを乗り越えるための知見を示した実践報告も論文として公開することができた。葛藤内容と対処方略の特徴についての研究論文は現在執筆中であるが、令和5年度中の公開を目指したい。第二に、学生を対象とした量的研究である。上記質的研究から得られた仮説検証のための質問紙調査を実施した。現在は100名規模ではあるものの、着実にデータ数を増やしている。COVID2019の影響を受け、進捗が遅れているため、令和5年度は量的研究に力を入れる予定である。第三に、教員を対象とした質的研究である。令和3年度より国際共修科目担当経験のある教員を対象にインタビュー調査を実施しており、既に計10名のデータを備えていた。令和4年度は分析を開始し、国際共修における葛藤を捉える上では、当事者間の意識、技量、語学力の差に加えて、社会的制度、教員の専門性、学生が身を置く状況などが大きく影響しているという知見を得た。令和5年度は、この知見を研究成果としてまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、学生対象のインタビュー調査が完了し、研究成果を研究論文及び実践報告にまとめて公開することができた。学生対象の質的研究の進捗はおおむね順調だが、以下の理由により、全体としてはやや遅れている。
理由1)上記質的研究から生成された仮説検証を目的とした質問紙調査のデータ収集が遅れている。当初は令和4年度時点で150名規模のデータ収集を終える予定であった。だが、COVID2019の影響を受け国際共修でのデータ収集が困難となり、現時点では国際共修受講経験者約100名程度のデータ数にとどまっている。引き続き調査を継続し、令和5年度中にはデータ収集を終える予定である。
理由2)国際共修科目担当経験のある教師対象のインタビュー調査について、当初は計20名規模でのデータ収集を目指していたが、協力者の確保が困難であった。今後も追加のデータ収集が見込まれないことから、分析方法を再検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下のとおりに研究を進める予定である。 1)国際共修受講経験者150名程度のデータ収集を目指し、質問紙調査を引き続き継続する。データが集まり次第、分析を開始し、その研究成果を学会にて発表する。 2)国際共修科目担当経験のある教師対象のインタビュー調査については、現在は、既に備えている10名規模のデータでも可能な方法に変更して分析を行っているところである。その研究成果は、令和5年度中の学会での発表を目指す。
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