研究課題/領域番号 |
20K13086
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
|
研究機関 | 早稲田大学 (2023) 国際基督教大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
吉田 睦 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (30835525)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 遠隔 / オンライン / 談話 / 縦断的会話 / 情報共有 / 日本語教育 / 会話 / 話者関係 / 情報の共有 / 共有経験 / コミュニケーション / 談話研究 / 質問 / オンライン授業 / 同期型授業 / 情報 |
研究開始時の研究の概要 |
教育のグローバル化やオンライン授業の実施に伴い、遠隔地間の双方向授業や個人・社会的な遠隔コミュニケーションの需要が高まっている。しかしながら言語教育の場に応用するためには、その利便性だけではなく、接続状況による音声・視覚的特徴や、離れた場を接続することによる語用論的特徴にも留意する必要がある。本研究では上記の背景のもと、日本語会話の構築および話者の情報差とその共有に着目し、初対面と既知の間柄の話者における対面会話(二者が直接会って行う会話)・遠隔会話(離れた場所をPCで接続する会話)、また海外教育期間と接続する日本語学習者との遠隔会話の音声・映像資料を収集し、記述・分析することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に収集した遠隔会話資料の分析や成果発表等を行った。海外の日本語学習者と日本国内の日本語母語話者間の縦断的な遠隔会話の分析では、遠隔コミュニケーションの環境的要因(異なる場から接続すること)に起因した、話題や知識の共有、話者関係、非言語行動に関する特徴を示した。 話題に関しては、会話内での話題提示の平等性や、海外にいる学習者が情報提供者となる機会が観察された。画面を介した遠隔コミュニケーションの制約が、学習者側からの話題提供や自己開示の機会に転じる様子も見られ、遠隔会話の教育的利点の可能性が指摘できた。またオンライン上の話者関係構築の難しさに関しては、雑談研究の知見をもとに資料を分析し、継続的な話者関係を構築する事例として、過去の話題を引用することや、共有・既有知識を前提とした会話の進行が観察された。非言語行動に関する特徴では、話者の非言語行動が会話と同時に進行するマルチモーダルなコミュニケーションを記述し、遠隔会話特有のやり取りを指摘した。以上の内容については、調査実施国での研究発表を通し、成果発表を行った。 本研究は、研究開始時に対面会話と遠隔会話の比較分析を予定していたが、コロナ禍の社会的な状況から、遠隔会話における縦断的なコミュニケーションに焦点をあて研究を遂行した。分析に関しては、来年度も研究期間を延長し、引き続き資料の比較・分析を行う予定である。また調査時に実施したアンケート資料の分析も行い、質的な立場でのより精緻な考察を目指したい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終調査であった海外日本語学習者と国内日本語母語話者の遠隔会話調査を終えたが、資料分析や研究成果の公開に更なる時間を要するため、来年度も研究期間を継続する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
海外との遠隔会話と国内遠隔会話の比較を行い、研究成果の報告を行う。特に、国内遠隔会話資料は、多人数のコミュニケーションや知識差・情報差のあるコミュニケーションを含んでいることから、会話条件ごとの分析もより詳しく行っていきたい。
|