研究課題/領域番号 |
20K13090
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 江戸川大学 (2021-2022) 早稲田大学 (2020) |
研究代表者 |
三谷 彩華 江戸川大学, 国際交流センター, 助教 (20831960)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 要旨 / 要約 / 文章構造 / 文章評価 / 定性的コーディング / クラスター分析 / 論文要旨 / 評価調査 / アカデミック・ライティング / 人文学分野 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、留学生が多く専攻する人文学分野の研究論文の要旨作成方法を提案することを目的とする。論文の要旨は、要約文の一種であるにも関わらず、従来の研究では、本文を要約するという観点の分析が少ない。また、学会誌掲載の研究論文の要旨の表現傾向を探ったものが多く、どのような要旨が「適切な要旨」とされているかについても言及されていない。本研究では、本文と要旨の文章構造からみた要約作成の傾向を分析し、要旨の表現類型を明らかにする。次に、大学院生による要旨作成調査、大学教員と大学院生による要旨の表現類型別の評価調査をすることで、主に大学院留学生の要旨作成における課題を明らかにし、要旨作成方法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、人文学分野の研究論文の要旨作成方法を提案することを目的としている。2022年度は、2021年度に引き続き、研究課題3(大学院生と教員が考える「適切な要旨」とはどのようなものかを明らかにする)の調査を実施し、調査データの分析を行った。研究課題3の調査の概要は、以下の通りである。 大学院生と教員が考える「適切な要旨」はどのようなものかを明らかにするため、研究課題1(日本語の人文学の研究論文の要旨の表現類型を明らかにする)で明らかになった人文学系研究の論文要旨の表現類型(「概要提示型」「背景・目的詳述型」「結論詳述型」「方法詳述型」)で書かれた要旨の評価調査を行った。まず、査読付きの学会誌に掲載された論文の著者5名に、自著論文1編に対して3から4種の要旨を作成してもらった。そして、作成された要旨全19編を、大学院生と大学教員に読んでもらい、①4段階評価と自由コメント、②各論文の4種の要旨の順位付けにより、作成された要旨を評価してもらった。 調査終了後、2021年度・2022年度に収集した調査データを集計し、4段階評価と順位付けに対して統計分析を行った。その結果、「背景・目的詳述型」「方法詳述型」で書かれた要旨よりも、「概要提示型」「結論詳述型」で書かれた要旨のほうが有意に高い評価が得られることが明らかになった。ただし、評価コメントによると、研究論文の本文やテーマによっては、異なる結果が得られる可能性があることも示唆された。2023年度は、4段階評価自由記述のコメントの分析を深めることで、「適切な要旨」とは何かを明らかにすることを課題とする。 なお、研究課題1、研究課題2(大学院生がどのように要旨を作成するのかを明らかにする)についても、昨年度に引き続き、研究協力者とともに、別の観点から再分析を行うことで、より精緻な表現類型の検討をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度のコロナウイルス感染拡大の影響と、研究課題3(大学院生と教員が考える「適切な要旨」とはどのようなものかを明らかにする)の調査方法について再検討を行ったことにより、研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究課題3の自由記述コメントの分析を完了させ、成果を発表する予定である。また、研究課題1および研究課題2についても、引き続き研究成果をまとめ、本研究の目的である人文学分野の研究論文の要旨作成方法を提案する。
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