研究課題/領域番号 |
20K13108
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 日本大学 (2021-2023) 山口県立大学 (2020) |
研究代表者 |
田中 菜採 日本大学, 経済学部, 講師 (80795005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 速読 / 英文読解 / 速読教材 / 読みの流暢さ / 英語学習者 / 英文の読みやすさ / リーディング / 教材分析 / レベル別読解教材 / 英語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
速読活動は、英語学習者の読解速度・読解効率を向上させると期待されている。速読活動では学習者の習熟度レベル別の速読教材が使われる。本研究の目的は、既存のレベル別速読教材を分析することでレベル別速読教材特有の英文の言語特性と内容理解問題の特徴を検討すること (教材分析)、また、教材の特徴が日本人英語学習者の読解速度・読解効率に与える影響を検証し効果的な速読教材作成の基準を示すことである。学習者の習熟度レベルと英文の言語特性に応じた読解速度が明らかにし、速読教材を作成・編集する際の基準を、英文の言語特性・理解問題・目標読解速度という3点から示す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では英語の速読活動に用いられるレベル別教材に焦点を当てた。速読教材は一般的に読解速度を測定するために本文となる英文と、内容理解を確認するための問題が付属している。研究1~3年目では速読教材の教材に関する調査を行った。本年度の研究4年目は当初の研究計画にはなかったが、読解速度を扱う本研究において対面実施からオンライン実施に変更したため、その妥当性を検証するために以下の調査を実施した。 昨年度の研究において、英文速読教材で使用されている内容理解問題の種類・形式が英文読解速度にどのように影響するかを検証した。昨年度の研究ではオンライン調査にて以下の研究を行った。同じ長さで同程度の難易度の語彙を使用している英文に対して異なる内容理解問題を出題し、日本人英語学習者の読解速度と読解効率(速度と正確さを同時に示す指標)を比較した。本研究では、昨年度と同様の手法を用いて対面実施で同じ結果が得られるかを確認した。 日本人大学生に対して対面実施の調査を行った。調査では英文の長さと語彙が統制されている速読教材を用いた。英文に対して3種類の内容理解問題(文完成課題・True or False問題・要約完成課題)を5問ずつ準備した。協力者はスマートフォン等のデバイス上で解き方を確認した後、各内容理解問題条件の英文を2つずつ読解した。読解時間はオンライン上に記録した。その後、理解問題に本文を参照せずに解答した。昨年度実施したオンライン調査と対面実施のデータを再分析した結果、協力者内条件(内容理解問題の種類)の傾向は同じだった。ただし、読解速度や正答率は同程度の結果とはならなかった。オンライン実施では英文読解熟達度を測定しておらず幅広く協力者を募ったため、グループ間で、英文読解熟達度が異なった可能性が高い。 研究最終年度は研究を通じて得た英文速読教材への示唆を速読教材の作成基準を提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の4年目では新型コロナウイルス感染症による影響で、研究2~3年目に対面実施で予定していた調査をオンライン実施に変更した妥当性を確認するため、追加で研究を行った。オンライン調査は対面実施の調査と厳密には同じではないものの、同じ傾向という結果が得られたため、研究期間を延長し、2024年度は4年目に計画していた調査を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2023年度に実施できなかった、研究計画2年目で疑問の生じた点について追調査を行った後、4年目に計画していた調査を実施する。2年目では速読教材の英文の長さの効果が予想を反する結果であったため、改めて追調査を行う。さらに、4年目の研究計画である研究計画1~3年目の結果を取りまとめて英文速読教材への示唆を速読教材の作成基準を提案する。
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