研究課題/領域番号 |
20K13109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 青山学院大学 (2021-2022) 駿河台大学 (2020) |
研究代表者 |
佐竹 由帆 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (90754648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | データ駆動型学習 / DDL / 英語教育 / コロケーション / コーパス / L2 ライティング / オンデマンド / 遠隔学習 / エラー・コレクション |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の先行研究は、日本人英語学習者はコロケーションの動詞選択の誤りが多く、コーパスで多量の用例を見るとコロケーション産出や英作文の正確な修正が促されることを示した。しかし、コーパス参照が英語コロケーションの誤り修正に及ぼす効果についてはわかっていない。本研究では、学習者が英作文の動詞+名詞及び名詞+動詞コロケーションの誤り修正にコーパスを参照するとコロケーションの習得が促されるか、解明をめざす。英語中級学習者30名の誤り修正へのコーパス利用法を分析し、コーパス参照の学習効果を検証する。コロケーション学習に及ぼすコーパス参照効果を解明し、データ駆動型学習に基づくコロケーション指導法を提言する。
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研究実績の概要 |
本研究ではデータ駆動型学習(DDL)の動詞-名詞コロケーション学習に対する効果を検証した。 昨年までの研究で、学習者がコーパスを参照しながら学習するデータ駆動型学習(DDL)が動詞-名詞連語の記憶に有効であることが示唆された。そこで今回は、英作文における動詞-名詞コロケーションの産出にDDLがどのような影響を及ぼすかを検証した。対象者は、中級から上級の英語学習者である日本の大学1年生19名である。彼らは週1回、9週間にわたってWordbanks Onlineのコーパスで用例を検索し、2つの動詞-名詞のコロケーションを学習した。結果は動詞名詞コロケーションに対しDDLは未知語の記憶、既知語の産出を促進することを示唆した。 また、オンデマンド型オンライン遠隔学習における動詞-名詞コロケーション学習に対するDDLの有効性についても検証した。参加者は大学生の英語中級学習者49名である。実験グループは、事前テストと事後・遅延事後テストの間にDDLのアプローチで動詞-名詞コロケーション修正タスクに取り組んだ25名の学生で、対照群はテストのみを受けた24名の学生であった。結果は、動詞-名詞コロケーションの暗記には、コンコーダンスラインのスクリーンショットを参照するオンデマンド・オンラインDDLが、学習者が自分でコーパスを検索する従来のオンキャンパスでのDDLと同等の効果があることを示唆した。 様々な教授法が模索される中、DDLはL2教育へのアプローチとして有効な選択肢であると言えるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DDLのコロケーション学習に対する効果検証を進めるうちに、既知語・未知語や遠隔授業における使用など、当初考慮に入れていなかった様々な変数が学習効果に影響し得ることがわかった。また、DDLにおける何がどのように動詞-名詞コロケーションの学習を促進するかについて、未だ決定的な解を得るに至っていない。以上のことから、本研究の進捗状況は当初よりやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
昨年までの調査でDDLが動詞-名詞コロケーション習得に有効であった変数について再検証し、DDLにおける何がどのように動詞-名詞コロケーションの学習を促進するかについて、より一層質的な調査を進め、明らかにしたい。
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