研究課題/領域番号 |
20K13121
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
阪上 潤 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (90802132)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 口の動き / 英語発音 / 英語 / 発音 / リスニング / 超文節的要素 / リズム |
研究開始時の研究の概要 |
日本人英語学習者は、強弱や長短をつけるなど、英語らしく文章を発音をすることが苦手だと言われる。 本研究は、口の動きという、音を作る動きに焦点を当てた分析をすることで、何が英語らしい発音を妨げているのか、その原因を明らかにするものである。 以前の研究で、日本人英語学習者は、英語らしい発音をするには不向きな口の動きをしていることが明らかになったが、今回は分析数を増やし、計測ソフトを使うことで、より客観的なデータを得たうえで分析を行う。 そして、その結果を用い、なぜうまく発音やリスニングができないのか、その理由を考慮することで、より効率的な発音・リスニング指導を開発・実践することが本研究の概要である。
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研究実績の概要 |
従来のリスニング・発音指導では音声のみを使うことがほとんどであった。そこに視覚情報も加えることで、目と耳の両方を使うことができ、より効率的な学習・指導ができると考え、特に口の動かし方に焦点を当て、その活用の仕方を考えてきた。 はじめに、英語母語話者と日本人英語学習者が英語を話す際の口の動かし方を比較したところ、大きな違いがあることが明らかになった。英語母語話者が英語のリズムで話すのが自然な口の動かし方をしているのに対して、日本人英語学習者は英語のリズムで発音するのは難しい口の動かし方をしている、というそれぞれの特徴も明らかになった。具体的には、日本人英語学習者は弱く短く発音しなければいけないところでも英語母語話者よりも大きく口を動かしており、それが発話の違いに結び付いていると考えられる。この結果を基に、日本人英語学習者がより英語らしい発音をするにはどうすればよいか、耳だけを頼りに音を真似するだけでなく、口の動かし方をどう近づけるかという観点も加えた指導法の仮説を立てた。 これらを踏まえ、リンキングという、日本人英語学習者が苦手とされる英語の発音の特徴の指導をおこなったところ、口の動かし方を提示した方が、音声だけで指導するよりも効果的だという結果が出た。 また、口の動かし方を提示しながら発音を指導した方が、聞き手がより自然で滑らかだと感じる発音が習得できることも明らかとなった。 その他、リスニングの指導においても効率的か、現在検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で実験協力者を確保することが難しかったため、仮説を立てるのが遅れた。 そのことにより効果の検証作業も遅くなり、全体として当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はリズムの習得など、リンキング以外にも効果があるかを検証していく。 また、聞いている人がどう感じるかという視点からも総合的に伸びた点、課題として残る点を明らかにしていく。 これらの結果から、口の動かし方を意識した、効率的な英語リスニング・発音指導方法をまとめていく。
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