研究課題/領域番号 |
20K13144
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 筑波大学 (2021-2023) 早稲田大学 (2020) |
研究代表者 |
矢澤 翔 筑波大学, 人文社会系, 助教 (50844023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 母語喪失 / 習熟度 / 海外滞在経験 / 音声コーパス / 日本語 / 英語 / 早期英語教育 / 英語イマージョン教育 / 外国語訛り / 理解可能度 / 海外経験 / 母語音声ドリフト / 訛り度 / 理解度 / 印象評定 / オンライン実験 / 第二言語習得 / 母音 / 第一言語音声ドリフト / 音声ドリフト / 第二言語 / 日英音声コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二言語(外国語)を習得することによって第一言語(母語)の発音が変化してしまう『L1音声ドリフト』と呼ばれる現象が、第二言語の習得度とどのような関連にあるかを、大規模日英音声データベース『J-AESOP』を用いて多角的に検証する。本研究の結果は、例えば英語教育の開始年齢を早めたり英語で全面的に教育を行ったりすることによって、国語である日本語の音声にどのような影響があるのかを明らかにすると予想され、我が国の英語教育方針の目標を見定める上で重要な判断材料となると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、第二言語(英語)を習得することによって母語(日本語)の発音が変化してしまう母語喪失現象が、学習者の第二言語習得度および海外滞在経験とどのような関連にあるかを、大規模日英音声データベース『J-AESOP』を用いて多角的に検証した。その結果、英語習熟度の高い話者ほど日本語が「訛っている」と判断される傾向が見られたが、これは学習者に中長期間の海外滞在経験がある場合に限られ、日本国内で英語を習得した場合は当てはまらないことが明らかになった。また、海外滞在経験の有無に関わらず、英語習熟度の高い話者ほど日本語が「理解しやすい」と判断されるという新規の発見も得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は、第二言語を高度なレベルまで習得することは必ずしも母語の訛りには直結せず、また発話の分かりやすさという観点からは母語に好影響をも与えうることを示唆している。したがって、日本国内において重点的な英語教育を行なったからといって母語である日本語の発音能力が悪影響を受けることは考えにくく、早期英語教育や英語イマージョン教育の導入に関する弊害は限定的であると考えられる。また、帰国子女の生徒や学生の日本語発音能力については、海外滞在中の母語使用の継続的な保持が重要と考えられる。
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