研究課題/領域番号 |
20K13145
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小西 隆之 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (90780982)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | L2英語 / 日本人英語学習者 / 評定 / リズム / 指導 / 韻律 / 分節音 / 知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
学習者英語研究において、伝統的に文法や発音の正しさを判断してきたのは、イギリス、アメリカ等の英語の母語話者だった。しかし、 今世紀の英語非母語話者の飛躍的増加により、現在では英語母語話者よりも非母語話者間のコミュニケーションの機会が圧倒的に多い。これを受けて、英語教育においても「母語話者らしさ」よりも「聞きやすさ」や「理解しやすさ」が重視されるようになった。本研究では、英語レベルの異なる日本人学習者に、様々な母語の話者の学習者英語の評定を行ってもらい、その評定値に影響を与えている音声特性を明らかにすることにより、英語発音指導およびリスニング指導におけるレベル別重点指導項目を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は日本人英語学習者の知覚に焦点を当て、母語話者および非母語話者音声の聞きやすさ (intelligibility) を判断する際の指標の習熟度別の変化を検証するものであるが、2020年度初頭からのコロナ禍により、研究代表者の所属する大学内における留学生の被験者の確保と、感染リスクを完全に排除した音声収録環境の確保が非現実的になり、長期間研究が中断していた。その間の研究代表者の他研究課題の進行に応じて本研究のデザインを再検討した結果、当初の横断研究 (即ち、異なる被験者のデータを収集し、習熟度との相関を分析する研究) から縦断研究 (即ち、同一の被験者の経過観察により習熟度による変化を分析する研究) に変更する判断をした。更に、単純な縦断研究ではなく、特に研究代表者の専門分野である英語リズムの習得に焦点を当て、日本人学習者に対する明示的な英語リズムの指導の、母語話者英語および非母語話者英語の聞きやすさに対する影響を分析するように研究計画を修正した。 従って、当初の研究最終年度である2022年度に実験デザインの再構築を行い、当該課題を延長した上で2023年度初頭におけるデータの取得を目指すことにした。実験デザインの変更に伴い、事前テストと事後テストに被験者が聞く非母語話者英語音声を変更する必要が生じたため、両者を主に語彙レベルに関して統一する必要が生じた。そのため、L2英語の語彙習得を専門とする共同研究者と共に読み上げ文章の選定および語彙統制を行った。リズム指導の内容については研究代表者が検討を行った。また、録音した音声に対するアノテーション (データコーディング) の研究補助者を確保し、現在指導を行っている。2023年度には事前・事後テストを用いたリズム指導の知覚および発話における効果を検証し、研究成果を年度内の国内外の学会で報告することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度の研究の遅延は、当該年度のものというよりも、特に2020年度と2021年度におけるコロナ禍の影響により研究計画が後ろ倒しされているためである。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更に伴い本課題の実施期間を延長したことにより、2022年度に実験デザインを行った。2年間以上に及ぶコロナ禍の影響により、当初目的としていた国際誌における論文の発表まで研究期間に終えることは困難となったが、少なくとも研究期間内に分析結果の学会報告までは終える予定である。特に録音データのアノテーションのためにはこれまでの余剰予算を投じ、当初の予定よりも多くの研究補助を雇用する。
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