研究課題/領域番号 |
20K13159
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 京都外国語大学 (2022) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日系ブラジル社会 / 移民知識人 / 戦争経験 / 岸本昂一 / マリオ・ボテーリョ・デ・ミランダ / 集団記憶 / 歴史叙述 / エスニック・メディア / 大日本帝国 / ナショナリズム / マリオ・ボーテリョ・デ・ミランダ / 山城如世 / 言論活動 / 知識人 / 日系ブラジル移民 / マイグレーション・スタディーズ / 日系ディアスポラ / 知的実践 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1920年代から1980年代までに、ブラジル日系社会の知識実践及び言論活動を支えた日系知識人をめぐる体系的及び質的研究である。日本語を使用し、エスニック・メディアを拠点にした日系知識人がどのような問題領域を、どの媒体において、どのような思想系統の下で論じたかを究明することが本研究の目標である。なお、国際的な日本研究を目指す本研究は、単なる「日系移民の歴史」を試みるのではなく、「移民知識人」という存在を浮かび上がらせることにより、「越境」と「思想」をめぐる理論的な議論にも貢献したい。本研究では、移民の知識実践及びその言論活動の形態を取り上げ、移民の主体行為性に注目する。
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研究成果の概要 |
日系ブラジル社会において産出された資料をベースに、「移民知識人」(知の生産および頒布に携わる教養人)に光を当て、「移民」たる存在に対する様々な言説を解明した。取り分け、ブラジルにおいて戦争および敗戦を経験し、その体験を綴った岸本昂一の『南米の戦野に孤立して』の歴史的な意味および重要性を論じた。また、大日本帝国を訪れ、ポルトガル語で体験記を刊行した若きブラジル人のインテリ、マリオ・ボテーリョ・デ・ミランダを論じた。大日本帝国の「非勢力圏」に位置付けられ得る日系ブラジル社会と帝国内外との関係、ラテンアメリカの地政学的な重要性を移民知識人の思想および言論活動を通じて考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本・ブラジル関係を強めるために日系ブラジル社会の歴史を理解することは必要不可欠である。このプロジェクトは、今までほとんど注目されて来なかった「移民知識人」に光を当てている。そうすることにより、移民がその行為主体性(agency)を発揮し、自己の歴史の叙述に積極的に携わっている有様が見えてくる。また、大日本帝国のみならず、その「非勢力圏」であるブラジルにおいて日本語、「日本文化」、そして日本民族が如何に語られたかを究明しようとしたところは、日系ブラジル移民の研究に貢献していると共に、大日本帝国とラテンアメリカの関係史の理解にも寄与していると確信している。
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