研究課題/領域番号 |
20K13164
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
林 英一 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (20724206)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 残留日本兵 / 南方抑留 / インドネシア / 大東亜共栄圏 / 映像資料 / エゴ・ドキュメント / 東アジア / 東南アジア / 社会史 / 文化史 / 日本軍 / 対日協力者 |
研究開始時の研究の概要 |
「大東亜共栄圏」とは、戦時中に日本が掲げたアジア地域統合構想である。当初は外交スローガンだったものが、1941年7月の御前会議で国是に定められた。同年12月の開戦後に日本軍は東南アジア地域を3年半にわたって占領し、「大東亜共栄圏」建設に邁進した。 「大東亜共栄圏」研究は1970年代に本格化し、社会経済史手法によって豊かな成果を収めてきた。これに対して本研究は、近年の文化史的関心を踏まえ、対日協力者たちが模索した「大東亜共栄圏」文化構想の実態を解明することを目指すものである。
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研究実績の概要 |
今年度の研究実績は、第一にインドネシア元残留日本兵の英雄化の過程を描いた英語論文を公表し、それに関連するコメントやエッセイをテレビ、新聞、ホームページ上で発表したことである。これらは2023年6月に天皇皇后両陛下がインドネシアを訪問し、インドネシア元残留日本兵の子孫と面会されたことを受けてのものであり、公益財団法人日本国際問題研究所の依頼で、英語論文「The Process of Heroizing the Holdout Japanese Soldiers in Indonesia」とエッセイ「インドネシアの英雄墓地に眠る残留日本兵の話(Holdout Imperial Japanese Army Soldiers Rest in Peace in Heroes Cemeteries in Indonesia)」を寄稿した。また、『産経新聞』2023年6月18日付朝刊社会面、『日本経済新聞』2023年6月21日付社会面に筆者のコメントが、共同通信社の配信で2023年6月から7月に地方紙に筆者の論考「指標 天皇陛下 インドネシア訪問 残留日本兵、苦難の軌跡」が、それぞれ掲載された。また、読売テレビの報道番組「ウェークアップ」2023年6月24日放送にVTR出演した。これらによって、研究成果の一部を海外に発信し、社会に還元することができた。第二に、兵士・抑留・引揚げの記憶を継承する総務省委託の平和祈念展示資料館のセミナーで、「南方に残留した兵士たち―組織と個人の視点から読み解く―」というテーマで報告した。シベリア抑留に比べて南方に抑留・残留した兵士の体験についての研究は手薄であり、研究上の新たな課題を発見することができた。第三に、インドネシア日系人に関する研究書『日系インドネシア人のエスノグラフィ 紡がれる日系人意識』の書評を学会誌『移民研究年報』第29号に発表した。先行研究をレビューすることによって、研究史への理解を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
校務との両立に加えて家庭環境が変化したことにより、研究計画を予定通り進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
防衛研究所戦史研究センター史料室の公開史料のなかに新史料を見つけたため、史料収集を進めている。また、前年度までの研究成果を講演会やシンポジウムで報告する予定である。
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