研究課題/領域番号 |
20K13178
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
磐下 徹 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30589479)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 『水左記』 / 源俊房 / 古記録 / 日記 / 古代・中世移行期 / 註釈 / 水左記 / 平安時代史研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は平安時代末期の貴族である源俊房(みなもとのとしふさ)の日記である『水左記(すいさき)』の記事を丹念に読み込み、その註釈を作成することで、古代から中世へという日本の歴史の転換期の政治・社会状況、都である平安京の都市的環境、この時期における日記のもつ意義・機能について考察することを目的としている。 こうした目的を達成するため、古代史・中世史の各分野の専門家が参加する「水左記輪読会」を開催して、質の高い『水左記』の註釈を作成することを第一の目的とする。こうして蓄積された註釈をもとに、古代から中世への転換期である平安時代後期についての考察を深めていきたいと考えている。
|
研究成果の概要 |
『水左記』は平安時代後期に源俊房が残した日記である。平安期の貴族の日記には、儀式・年中行事の様子を中心に、朝廷内外の出来事が記録されている。これらの記事は、当時の政治・行政・社会の在り方を伝える貴重な史料である。また、『水左記』には1062~1113年までの記事が断続的に残されているが、この期間には摂関政治から院政へという政治形態の大きな変化が生じている。このことから、この日記は古代から中世への移行期の様相を知るうえで重要な史料であるといえる。 本研究では『水左記』の康平5~8年(1062~1065、康平8年=治暦元年)の註釈を作成し時代の大きな転換期である平安時代後期研究を進めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『水左記』の康平年間の記事は、摂関政治から院政への過渡期の政治・社会情勢を示す貴重な史料である。しかし、当該期は同時代史料が少ないこともあり、古代・中世移行期という歴史的に重要な時期であるにもかかわらず、これまでの研究は手薄であった。 そうした状況のもと、本研究では『水左記』の詳細な註釈を作成し、当該期の政治・社会情勢や平安貴族の日記の使用法などについて明らかにできた。その成果は『稿本『水左記』註釈』などとして公表されている。 『水左記』の本格的な註釈はこれまでなされておらず、その意味で本研究は、今後の平安時代後期の研究の基礎となるものと自認している。
|