研究課題/領域番号 |
20K13180
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原口 大輔 九州大学, 附属図書館, 講師 (00756497)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 議会政治 / 貴族院 / 帝国議会 / 戦時議会 / 大政翼賛会 / 議会事務局 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、政党内閣崩壊後の貴族院の議会運営とその政治過程を、内閣・衆議院・貴族院の三者の関係に着目しながら分析することで、近代日本の議会政治(二院制)の意義と限界とを明らかにする。具体的には、貴族院議員、政治家、議会官僚などの一次史料や貴族院事務局が発した公文書、刊行物などを検討し、1)挙国一致内閣期の貴族院と内閣、衆議院との関係、2)大政翼賛会誕生後の貴族院と議会運営、について明らかにしていく。
|
研究成果の概要 |
本研究は貴族院や貴族院事務局を検討対象に、政党内閣崩壊後の帝国議会の運用や議会制度をめぐる諸議論を分析することで、近代日本の議会政治の意義と限界を明らかにすることを目的としている。 当該期間の貴族院は、衆議院と比較すると、議会改革そのものへは消極的な姿勢を保持し続けた。とりわけ、大政翼賛会結成後や敗戦後といった議会外による大きな圧力にさらされた時期でもそれは変わらなかった。それは、衆議院と異なり「民選」を経ていないことも理由であろう。そうであるがゆえに、貴族院は良くも悪くも時勢の変化に対応することができず、敗戦後、”非民主的”な貴族院像を決定的なものとすることとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の最大の成果は、研究が十分に進んでこなかった昭和期の貴族院研究を進展させ、その独自性と議会としての権能の発揮を意識していたことを明らかにできたことである。このことは、”議会政治”が衆議院(代議士)と各種勢力の動向から描かれてきた当該時期の政治史の理解を相対化させるものとなる。あわせて、二院制を採る立法機関において、第二院とは何か、という普遍的な問いを考えることにもなろう。 また、本研究の特徴でもある議会事務局や議会官僚への着目は、狭義の議会政治研究に限らず、政治史をはじめとする関連する諸領域への研究にも援用が可能と思われる。
|