研究課題/領域番号 |
20K13198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 奈良大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
宮本 亮一 奈良大学, 文学部, 准教授 (00867856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フン系集団 / キダラ / エフタル / アルハン / バクトリア語文書 / アラビア語年代記 / トハーリスターン / アラビア語年代期 / キダーラ / エフタル(アルハン) |
研究開始時の研究の概要 |
4世紀以降の民族大移動期,ユーラシア大陸北方の草原地帯からフンという言葉で総称される集団が中央アジア,さらには南アジアへと侵入した。関連する資料が少なく,またそれらの資料も適切に利用されていないことから,長い研究の歴史にも関わらず,この集団に関しては不明な点が多く残されている。本研究は,イスラーム時代以前の中央アジアに大きな影響を及ぼしたこの集団の詳細な歴史的展開,支配のあり方,内部構造を明らかにし,今後の発展的な学際的研究の基盤を形成することを目的とし,これまでの研究で活用されてこなかった,アラビア語年代記,バクトリア語資料に着目して研究を進める。
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研究実績の概要 |
最終年度にあたる2023年度は,これまでの3年間と同様,文献資料(バクトリア語,ソグド語など中央アジアの現地語資料,アラビア語の年代記,漢籍資料など)に記されているフン系集団の動向を調査すると共に,貨幣資料の調査も進めた。文献資料を対象とした研究の成果としては,海外の査読付き雑誌に論文が掲載され,貨幣の調査に関しては,フン系集団,およびそれ以前の政治勢力が中央アジアで発行した貨幣に関する概説(2024年夏出版予定)を執筆することができた。 さらに,2023年8月には,ライデン大学(オランダ)で開催された,10th European Conference of Iranian Studiesに参加し,上記の研究成果の一部を発表すると共に,海外の研究者たちとの情報交換,新しい人間関係の構築を行うことができた。また,2024年2月には,デラウエア大学(アメリカ)で開催された,古代アフガニスタンに関するシンポジウムにオンライン参加し,バクトリア語資料を対象とした研究成果の一部を発表した。 4年間の研究期間における最も大きな成果は,文献,および貨幣資料に基づき,フン系集団の中央アジアから南アジアにかけての展開の様相を通史的に明らかにできたことである。この政治史に関わる研究成果は,ひとまず一般向けの概説書に発表したが(2023年1月),今後はこれをもとにさらに細部を検討し,より確実で明確な諸勢力の動向を明らかにすることを目指す。さらに,本研究で得られた成果と,今後実施する予定の古代中央アジアの在地社会に関する研究で得られる成果とを統合することで,イスラーム時代以前の中央アジア史を扱った総合的な学術書を発表することを目指したいと考えている。
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