研究課題/領域番号 |
20K13206
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小野 亮介 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (00804527)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | トルキスタン / 新疆 / 中央アジア / 諜報 / 亡命者 / シベリア出兵 / カザフ / 東トルキスタン共和国 / インテリジェンス / プロパガンダ / 汎テュルク主義 / タタール人 / カザフ人 / ロシア革命 / アラシュ・オルダ / 白軍 / オスマン帝国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ロシア革命後にトルキスタン(現在の中央アジア)から亡命したテュルク系の人々の機関誌・書簡や日本の外交史料の検討、インタビュー調査など通じ、1930年代にアフガニスタンからソ連の後背地たる中央アジアへの進出を狙った日本の対ソ戦略とその破綻をユーラシア規模の視点から考察することを目的とする。 本研究は、日本(語)を含む多地域・多言語の史資料を用い、アフガニスタンを結節点として東西トルキスタン(ソ連、中国)、トルコ、フランス、英領インド、サウジアラビア、日本の間で複雑に展開した関係性を描き出すことを特徴とする。
|
研究成果の概要 |
2020年春以降のコロナ禍により本研究も計画を見直さざるを得ず、代替手段として主に日本語外交文書に取り組んだ。その結果、シベリア出兵に関連して1918-1920年間に新疆に駐在した日本軍人の活動を明らかにし、さらにこの問題を発展させ、宇山智彦氏(北海道大学)と共に、カザフ自治政府アラシュオルダの幹部による日本政府への支援要請書(1919年)を検討した。他方、1938年にトルコで開催された「近東会議」に焦点を充て、日本軍人・外交官による中央ユーラシア出身のテュルク系ムスリムへの反ソ的アプローチが破綻したことを論じた。また、戦間期のタタール語雑誌2点の記事目録を作成し、自作サイトで公開した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴は、日本の対ソ戦略を中央ユーラシア出身のテュルク系ムスリムの政治家や亡命者と関連付けながら考察したことにある。従って、日本語、英語、トルコ語などの多言語史料を活用したことにより、従来互いに没交渉であった戦間期の日本外交史研究と中央ユーラシア史・トルコ史研究を架橋するアプローチを提示したことが本研究で得られた成果の学術的意義と言える。また、研究過程で報告者自身が発見した上記マルセコフ要請書は、共同研究者の宇山氏によってカザフスタンの学術界にも紹介され、アラシュ・オルダ研究に新たな光を当てる史料の発見として高い評価を得た。
|