研究課題/領域番号 |
20K13207
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
佐々木 聡 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (60704963)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 発病占 / 通俗信仰 / 鬼神 / 民間医療 / 術数 / 甲馬子(紙) / 道教 / 辟邪 / 占術文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は近世の発病占について、(1)中国の古書市場にある発病占書の収集および整理・研究、(2)国内外の研究機関が所蔵する発病占文献(発病占を含む術数文献や暦書等)の調査・研究、(3)台湾・香港等における発病占および関連史料の調査、の三点から研究を進める。特に清末以降に単行本として流布した発病占書をはじめ、近世の発病占をめぐる史料群が中国で等閑視されている状況を踏まえ、斯界の研究者にその史料的価値と意義、さらに保全の必要性を提起してゆく。
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研究実績の概要 |
本年度(4年目)も前年度に引き続き、研究協力者大野裕司氏(大連外国語大学)の協力の下、新出の発病占資料の収集を行った。その結果、中国の古書市場から、清末・民国期の発病占書7種(版本1種、抄本6種)を収集することができた。版本1種は、既に〈発病占〉資料集成之二として公開した光緒丁未年成和堂刊本『張天師法病書』および昨年収集した同文堂刊本とほぼ同じ内容・形式であった。出版者・刊行年は不明だが、この系統版本の広い流布をうかがわせる。以上により、これまで収集した単行の発病占書は、計27種となった。内訳は版本4種(うち3種は同系統)、抄本22種、倣本1種(原本は現存不明)である。これらの伝本は適宜データ化して共有し(原本は中国国内で保管)、書誌学的な整理と校本の作成、内容の検討などを進めている。 また、本年度は明桜大学・山里純一氏より御教示いただいた和文の発病占書『病ノ占』(石垣市立八重山博物館蔵)の調査をおこなった。さらに、このほかにも発病占の海外伝播を示す資料が見つかっており、将来的な課題が見えてきたと言える。 研究成果としては、前年に報告した論文「初期道教経典に見える鬼神観再考:〈発病占〉と暦日の冥官の関係に着目して」(『東方宗教』141)が無事に刊行されたほか、『古代文化』75(2)にも「光緒丁酉年郭洪興抄発病占書とその占辞に見える鬼神」と題する論文を発表した。当該論文は、昨年度公開した〈発病占〉資料集成之三に基づく成果であり、当該伝本中に特徴的に見える俗神について、雲南省の神像呪符「甲馬子」の鬼神との比較を試みたものである。 なお〈発病占〉資料集成は、前年度に引き続き第四・第五を公開することができた。これらの伝本を含めた研究成果については、5月25日に福島大学で開催される第72回東北中国学会の席上で「近世以降の発病占に見える鬼神観と時空観」と題する報告をおこなう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き、本年度も順調に資料収集をおこなうことができたが、新型コロナウィルス流行の影響により、当初予定していた現地調査の変更を余儀なくされている。また1年目に資料収集ができなかったことも影響し、当初3年間で予定していた研究計画が十分に遂行できていない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
全体的な研究遂行の遅れについては、さらに1年間の期間延長により対応する。また現地調査については、当初の予定通りの実施は難しいため、代替的な調査を実施する。
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