研究課題/領域番号 |
20K13225
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 上智大学 (2022-2023) 同志社大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山中 美潮 上智大学, 外国語学部, 助教 (70844091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | アメリカ南部史 / 日系移民史 / 稲作 / 人種 / 環太平洋史 / アメリカ史 / 人種研究 / 農業史 / 日系アメリカ人研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀初頭の西原清東によるアメリカ合衆国テキサス州稲作移民運動を中心に、日本人のアメリカ南部移住・人種経験から越境的なアメリカ史を検証する。日系アメリカ人史はこれまでアメリカ西海岸地域研究に偏りが見られ、またアメリカ南部史では、白人・黒人という二分的な人種関係を自明とし、移民や他地域との関係性を軽視してきた。そこで本研究は単なる地域・移民研究を超えた新しいアメリカ史像を提示するため、日本人の歴史的経験からアメリカ南部と環太平洋世界の相互作用を明らかにする。本研究により多様化の進む日米社会双方の人種関係の理解と促進に貢献したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、20世紀初頭にアメリカ合衆国テキサス州に移住した西原清東の稲作活動を中心に、トランスナショナルなアメリカ南部史を描くことを目指している。今年度は前年度から引き続き西原清東の研究を行い、これまでの結果をまとめた。更に研究を発展させるため、メキシコ湾沿岸部の他地域に移住した日本人・日系アメリカ人の軌跡を調べることを重点的におこなった。調査には国会図書館など日本の図書館、史料館を主に利用した。これらの史料調査の結果、ルイジアナ州、アラバマ州沿岸部に移住した日本人・日系アメリカ人は特にテキサス移住者とも関わりが強いことがわかった。ルイジアナ州、アラバマ州はメキシコ湾を通じて類似した気候や貿易システムを有しており、日本人・日系アメリカ人コミュニティの様相も類似点が多数存在したことがわかった。また彼らは交易を通じてお互いを知っており、様々な交流をしていた。
成果として、本年度は西原清東を中心とした初期テキサス移住者の移住の背景・動機および彼等の人種理解を考察した論文を執筆した。本論はアメリカ学会の機関誌『アメリカ研究』第58号に自由論文として掲載された。更に、新たに注目したアメリカ南部への日本人・日系アメリカ人移住者の詳細をまとめ、論文の構想を練っている。今後は現地調査を踏まえ、論文の肉付けを進めていく。また、当初はテキサスだけに限っていたが、コロナ禍を経て調査の地理的領域をルイジアナ州、アラバマ州などメキシコ湾岸沿いの州まで広げるにいたった。そこで、これまで発表した論文や学会発表をもとに、単著の執筆について計画を練り直す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年はテキサス州を中心に各地で現地調査をする予定であったが、他研究プロジェクトの完成や研究の焦点が変化したために国外調査が実行できなかった。ただし日本を中心に充分な史料をそろえることもできた。そのため上記のような区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後はアメリカでの現地調査及び、ルイジアナ州、アラバマ州のメキシコ湾沿岸部に着目し、日本人・日系アメリカ人研究を継続していきたい。同時に、これまでの研究成果の発信のため、単著執筆計画の練り直しに取り組んでいきたい。
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