研究課題/領域番号 |
20K13232
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2021-2022) 九州大学 (2020) |
研究代表者 |
谷澤 亜里 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50749471)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 日韓交渉 / 流通 / 交易 / 玉類 / 弥生・古墳時代 |
研究開始時の研究の概要 |
弥生・古墳時代併行期の韓半島と日本列島における玉類の出土傾向の分析から、 東アジア周辺地域における玉類の広域流通動態を解明し、これをもとに日韓両地域の国家形成過程における対外交渉の具体的様相を考察する。近年の研究で、弥生・古墳時代の日本列島には、多量の舶載玉類が流入していることが明らかとなっているが、その具体的な舶載経路の検討は不十分である。本研究は、特に弥生時代後半期~古墳時代前期に併行する時期に焦点を当てて日韓の玉類を比較検討することで、両地域における玉類の広域流通を明らかにする。これを通じ、新たな視点から東アジア周辺域における古代国家形成過程の実態解明に貢献する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、弥生・古墳時代併行期の韓半島と日本列島における玉類の出土傾向の分析から、東アジア周辺地域における玉類の広域流通動態を解明し、これをもとに日韓両地域の国家形成過程における対外交渉の具体的様相を考察することである。 2022年度も、日韓両地域の玉類の比較検討を行うための基礎作業を進めた。前年度から取り組んでいる弥生時代における半島系管玉流入の実態の問題に関しては、国内の関連資料の実見調査をおこなった(於 大村市教育委員会、佐賀市教育委員会、佐賀県立博物館、福岡市埋蔵文化財センター)。データの蓄積を通じ、弥生時代における半島系管玉流入のピークが前期末~中期初頭にあり、中期前半には列島製の管玉を主体とする構成へと速やかに転換することが明瞭となった。 また、列島において管玉とセットをなす勾玉について、形態ヴァリエーションと通時的な出土傾向を整理し、弥生時代の北部九州におけるいわゆる「定形勾玉」の成立過程をあきらかにした。列島においては、半島で管玉と組み合う天河石製勾玉は直接的な模倣の対象となってはおらず、「結縛」をモチーフとする多様な形態の勾玉が用いられる時期を経て、いわゆる「定形勾玉」が成立することをあきらかにした。さらに、古墳時代において玉類が長期保有を経て副葬されたと考えられる事例の検討をおこない、その背景を考察した。 韓半島出土資料に関しては、前年度に引き続き報告書記載情報のデータベース化を継続して進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、令和2~3年度には国外資料の実見調査が困難な状況であった。これを受け、国外の資料に関しては既存の発掘調査報告書等から得られる情報を用いた分析を中心とする内容へと研究計画の変更を行っているが、国内の資料調査の実施にもやや遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの作業により蓄積したデータを解析し、研究のまとめをおこなう予定である。特に、弥生時代における半島系管玉や各種の勾玉、水晶製玉類を中心に検討をおこない、列島-半島間の交渉のありかたを考察する。また、必要に応じて国内外の関連資料の実見調査を継続し、随時データの反映をおこなう。
|