研究課題/領域番号 |
20K13242
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
松永 悦枝 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (40625927)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 古墳葬送儀礼 / 飲食物表現 / 土器 / 動物・植物遺存体 / 土製模造品 / 土器葬送儀礼 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、食物表現が葬送儀礼のなかでどのように表現されてきたのか、古墳に副葬された土器や食物をかたどった土製模造品の分析を通して、古代東アジア古墳の飲食儀礼の実態とその歴史的背景について解明しようと試みるものである。 日韓の古墳に着目し、両国の地域性や階層性による、共通性と相違性を明確に示すことで、各墓制の特質をあきらかにし、相互の歴史的関係を復元することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、食物表現が古墳葬送儀礼のなかでどのように表現されてきたのか、古墳に副葬された土器や食べ物をかたどった土製模造品の分析を通し、古代東アジア古墳の飲食儀礼の実態とその歴史的背景について解明しようと試みるものである。分析には、①土製模造品、②動・植物遺存体、③炊飯具副葬、④破砕行為に着目する。副葬土器の組成とともに土器自体の地域様式を基軸にし、日韓、そして中国大陸の事例の比較研究をおこなうことで、食物表現が葬送儀礼のなかでどのように表現されていたのか、これを通して各地域における墓制の特質をあきらかにすることを目的としている。 3年目となる2022年度は、②の動・植物遺存体出土古墳の分析として、昨年度より集成をおこなってきた朝鮮三国古墳出土の動物・植物遺存体出土資料について考察を進めた。53遺跡約200事例の対象資料のうち、容器に入れて捧げる供献資料を中心に、共伴土器の形態、配置からみた類型化をはかり、古墳における食物供献儀礼について検討した。その成果については、「新羅・加耶古墳の動・植物遺存体と食物儀礼」として公表した(2023年3月刊行『文化財論叢Ⅴ』に所収)。今後は百済地域の古墳資料の分析を進め、新羅・加耶古墳との対比を図ることで、三国古墳における食物儀礼や土器副葬行為の特質を明確化し、研究課題の達成を目指したい。 国内調査に関しては、①と関連して、研究分担者で進めている奈良県ウワナベ古墳、平城宮東院下層資料の整理を通じ、大型古墳の墳丘祭祀のなかでの土製模造品の位置づけについて検討を進めたほか、奈良県布留遺跡出土資料の調査を進め、集落資料との比較をおこなった。また、列島出土陶質土器のうち古墳資料の調査も並行して進め、比較資料の収集に努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、古墳出土動・植物遺存体出土資料を中心とした検討をもとに、昨年度おこなえなかった韓国国内での新資料や再整理資料を中心に、国外調査を進める予定であった。しかし、通常業務との調整が不十分であったため、当初計画していた韓国調査を実施することができなかった。そのいっぽうで、昨年来進めてきた古墳出土動・植物遺存体のうち、新羅・加耶古墳を中心とした検討成果を論文として発表することができたので、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間4年目となる2023年度は、早急に韓国における資料調査を計画し、実施に努めるとともに、昨年度より実施してきた動・植物遺存体出土古墳のデータベース化の準備を進める。また、韓国・中国の研究動向については、諸機関に在籍する研究者から引き続き情報を収集することで、研究事例の蓄積を図りたい。
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