研究課題/領域番号 |
20K13250
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 大分県立歴史博物館 (2021-2022) 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2020) |
研究代表者 |
荻山 琴美 大分県立歴史博物館, 大分県立歴史博物館, 学芸員 (40834239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 群青 / 緑青 / 群青の緑青化 / 顔料 / 文化財 / 彩色 / 変色 / アズライト |
研究開始時の研究の概要 |
文化財に用いられる色料の中で、群青は藍銅鉱(アズライト)を、緑青は孔雀石(マラカイト)を粉砕して使用される顔料を指す。 本研究の目的は、大気中に存在する青色の群青が緑色の緑青へ変化する現象「群青の緑青化」が起こる環境条件を明らかにすることである。 現存する全ての群青で起こる現象ではないことから、文化財の保管環境にその要因があると考えられ、当現象の起こっている文化財を対象にした環境調査や室内実験を通して、環境的要因の検証を行う。 また、当現象は国内での事例や報告が少なく、この現象の存在は一般的ではなく研究も進められていない。よって、本研究は群青の緑青化研究の第一歩として、環境的要因の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、文化財においておこる、青色の群青が緑色へ変化する現象「群青の緑青化」の環境要因を明らかにすることであった。 現存するすべての群青で起こる現象ではないことから、文化財の保管環境にその要因があると考えられた。当現象の起こっている文化財を対象にした環境調査や室内実験を通して、環境的要因の検証を行い、初段階として群青の緑青化が確認される資料の環境調査から、その要因を検証していく必要があった。 研究期間では、まず国内外における先行研究の文献調査と翻訳作業をおこなった。フレスコ画における群青の緑色化についての研究からは、緑色化の要因は塩化物イオンにあることが指摘されており、群青(アズライト)の劣化生成物はパラタカマイトであるという調査結果も報告されている。 本研究では群青の緑青化における、国内事例の調査を計画した。群青の緑青化が疑われた奈良県内の仏像について、既に実施していた蛍光X線分析調査に加えて、可視分光分析と顕微鏡観察を実施した。可視分光分析では護摩焚きや煤の付着により、明瞭なスペクトルが得られなかったものの、顕微鏡観察では彩色面の粒子状態を確認できた。その結果、調査資料については、群青の緑青化が起こっている可能性は低いと判断できた。よって、この調査では、本現象についての証拠を得られなかった。候補資料の環境調査を計画していたが、準備段階である先行研究の文献調査の実施まででとどまった。 研究期間は終了してしまったが、引き続き本現象について継続して研究していきたい。
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