研究課題/領域番号 |
20K13256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 山梨県立博物館 |
研究代表者 |
西願 麻以 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (90757006)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 古写真 / 博物館 / アーカイブ / 地域資料 / フィルム / 写真 / 資料保存 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、博物館に古い写真の紙焼きやフィルムが持ち込まれる事例が増えている。21世紀に入りデジタルカメラが普及するまでは、フィルムは日用品として膨大な量が流通しており、30年たった現在でも多くの紙焼き写真やフィルムが一般家庭や各施設に残っていると考えられる。歴史資料として価値のある写真はどれくらい残っているのだろうか。 本研究では、地域に残る写真の保存・活用に関する基礎データの取得を目的として、一般家庭や施設に所在する山梨県の歴史・文化・風景に関する情報を含む紙焼き写真やフィルムの①現状調査と②デジタル化、③被写体情報の収集や④デジタルデータの活用方法の検討を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度調査を行ったものの中から、個人蔵フィルム(戦後昭和・数千枚)の詳細な調査およびデジタル化を中心におこなった。本資料は、山梨県内で、戦後に報道・広告写真を撮影していたカメラマンのフィルムである。県庁広聴広報課や県内テレビ局から依頼された写真もあり、歴史的な出来事やイベントの写真(例:昭和天皇来県時の写真等)や、観光地、農園、文化財など、様々なジャンルの写真が確認された。昭和30年代を中心とした昭和20~40年代のフィルムで、分野ごとに袋にまとめられ保管されている。フィルムひとつひとつに、いつ、何を撮ったかのメモが丁寧に記載されており、各時代の山梨を写す貴重な資料であることが確認された。フィルムの状態は、極一部に少し波うつフィルムが見られたが、多くが良好な状態であった。引き続き、デジタル化をすすめる。 また、当館所蔵の酢酸臭が確認されたマイクロフィルムのデジタル化および収蔵方法の検討も行った。 ほか、令和3年8月に、百貨店で会場を借り、山梨古写真展開催および同会場での被写体情報収集調査を実施する予定で準備を行っていたが、新型コロナ感染症拡大防止を考え、1週間前に中止となった(当館で開催する展覧会中止にあわせ、写真展も中止判断となった)。令和4年度にもう一度実施できるように準備を進めたい。 本年度の調査、デジタル化を通して、地域の歴史・文化を記録する重要な写真やフィルムが確認された。令和4年度以降、新型コロナウイルス感染症の状況をみながら、引き続き紙焼き写真やフィルムの悉皆調査およびデジタル化を行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大防止のため、人との接触を減らすために当初予定していた写真の募集や写真所在確認のアンケートを取りやめ、博物館に依頼があったもののみの調査や館蔵フィルムの調査のみの状況である。また、古写真展開催と被写体情報収集調査が中止となったり、資料整理のアルバイトも依頼できない状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、今年度調査及びデジタル化を実施した資料群のデジタル化をすすめ、本年度実施できなかった写真展および被写体情報収集調査等を実施できるように進めたい。デジタル化した写真と、館内所蔵の同時代の写真と比較をし、被写体情報の収集も進める。並行して他の写真やフィルムの資料調査も進める。
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