研究課題/領域番号 |
20K13258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
Doan QuangVan 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (80869264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 対流性降水 / 熱帯 / 都市ヒートアイランド / 気候数値モデル / 海陸風 / 都市化 / 熱帯都市 / 気候モデル / 熱帯気候 / 都市降水 / 都市気候変動 / 数値気候シミュレーション / 都市化インパクト / 東南アジア |
研究開始時の研究の概要 |
対流性降水に対する都市化の影響ついて近年関心が高まっているが、熱帯地域の都市においての研究が未だ不十分である。 本研究は、熱帯都市に着目し、降水への都市化の影響を、高解像度数値気候モデルを駆使して、解明する。 具体的に、近年都市化が盛んに進んできている東南アジアの大都市を研究対象にし、長期間の気候シミュレーションを行い、降水変化に潜む都市化のシグナルを検出する。そしてこの降水変化に裏付ける物理的プロセスを説明する。 本研究は熱帯都市降水についての新しい知見を得ることと、降水災害に強い都市づくり等に寄与する意義をもつ。
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研究成果の概要 |
本研究では、熱帯都市のシンガポール、ラゴス(ナイジェリア)と東京を対象として、高解像度数値モデリング手法で、降水量に対する都市の影響を明らかにした。具体的に、都市が局所的な降水の時空間パターンに大きな影響を与えることが示された。その影響は極端な降水にも及んでいる。そして、都市の影響は、対流性降水が支配的な熱帯地方で特に顕著である。都市影響のメカニズムとして、都市ヒートアイランド効果が境界層の不安定性を誘発し、水平方向の水分収束・対流の形成と降水を促進する。また、沿岸部の都市では、都市のヒートアイランド効果により海風が強まり、海洋からの水分供給が増加する可能性があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の社会的意義は、都市計画、防災、気候変動への適応策への示唆にある。都市が局所的な降水量をどのように変化させるかを理解することで、都市計画者は、排水システムの改善、グリーンインフラの導入、洪水リスクを最小化する都市デザインの最適化など、異常降雨の悪影響を軽減する対策を設計・実施することができる。さらに 気候変動は、降水パターンに変化をもたらし、都市部が直面する問題を激化させると予想されている。降水量の変化における都市化の役割を理解することは、持続可能な街づくりに向けて効果的な適応策を策定する上で極めて重要である。
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