研究課題/領域番号 |
20K13259
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
|
研究機関 | 立正大学 (2021-2022) 東京都立大学 (2020) |
研究代表者 |
神澤 望 立正大学, 地球環境科学部, 助教 (40844923)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 夏季アジアモンスーン / 太平洋・日本パターン / 季節進行 / テレコネクション / アジアモンスーン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,夏季アジアモンスーンの季節進行が日本に猛暑をもたらす典型的な気圧配置である太平洋・日本パターンの空間パターンにどのような影響を与えるか,夏季季節内での違いやメカニズムの解明を目指す。特に梅雨期から盛夏期へ移行に伴って短い時間スケールでの大規模な循環場の季節変化が起こる期間に着目する。気候モデルを用いて,太平洋高気圧やモンスーントラフの発達度合いが,熱帯のフィリピン周辺の対流活動の中緯度への影響の及ぼし方に関してどのような違いをつくり出すか,発達度合いの違いによるメカニズムを調べる。
|
研究実績の概要 |
日本の夏の気候は中緯度と熱帯それぞれから影響を受ける。熱帯からの影響については、フィリピン周辺の対流活動が活発だと日本周辺の気圧が高気圧性偏差となる「太平洋・日本パターン」が知られている。本研究では,太平洋高気圧が中緯度で,モンスーントラフが熱帯でそれぞれ発達し,循環場が大規模に変わる7月を中心に、夏季アジアモンスーンの季節進行が日本に猛暑をもたらす典型的な気圧配置である太平洋・日本パターンの空間パターンにどのような影響を与えるか、調べることを目的としている。 本年度は第6期結合モデル相互比較計画(CMIP6)に参加した気候モデルについて、過去実験と温暖化実験を解析して背景場である夏季アジアモンスーンの季節進行や太平洋・日本パターンの再現性や将来変化について調べた。解析対象の気候モデル数は2021年度より増やした。16の気候モデルの実験結果を用いたマルチモデル解析の結果では、背景場の変化として、太平洋高気圧の発達のタイミングが変わること、夏季アジアモンスーンの夏季平均降水量が増加し、夏季季節内でも増加量が多い地域が移動することが示唆された。また、太平洋・日本パターンに関しては、コンポジット解析を用いて空間パターンの変化を確認した。日本が熱帯の影響を最も受けるタイミングが観測データと少しずれるものの、マルチモデルではある程度太平洋・日本パターンが再現されていることが確認され、将来は空間パターンのコントラストが強まることが示唆されていることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観測データと気候モデル、また気候モデル同士で比較をするのに空間パターンの分布やその強度が異なるので、着目したい現象を気候モデル間で比較する際に適切な指標を設定するのに時間がかかっている。
|
今後の研究の推進方策 |
マルチモデルだけでなく各気候モデルの太平洋高気圧やモンスーントラフといったアジアモンスーン循環場の将来変化と太平洋・日本パターンの将来変化を確認し、全体として背景場の変化と共通する傾向があるか調べる。
|