研究課題/領域番号 |
20K13263
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石井 祐次 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (60831477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 河成段丘 / ルミネッセンス年代測定 / OSL年代測定 / 気候変動 / 最終氷期 / IRSL年代測定 / 東アジア夏季モンスーン / 光ルミネッセンス年代測定 / 更新世 |
研究開始時の研究の概要 |
日本にみられる河成段丘の発達過程に関する既存研究では、段丘面上にみられる広域火山灰(テフラ)を用いることで、段丘を構成する堆積物の堆積が終了した時期を明らかにし、海水準変動や気候変動との比較がおこなわれてきた。そのため、河成段丘を構成する堆積物が「いつ頃から」「どのような堆積速度で」堆積してきたのかといった、堆積過程はほとんど解明されてこなかった。本研究では堆積物に含まれる土砂を直接対象とするOSL年代測定という新たな手法を用いることで、河成段丘の堆積物の堆積過程を詳細に明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
日本の河川中流域では,最終氷期に河床が上昇することで形成された堆積性の河成段丘みられることがある.本研究では近年急速に発達しているルミネッセンス年代測定を用いて河成段丘堆積物の堆積年代を直接求め,数万年スケールの気候変動との関係を解明することを試みた.秋田県の鷹巣盆地にみられる最終氷期の河成段丘は約9万年前と約7万年前に形成されたことを明らかにし,それが夏季モンスーンの弱化にともなう降水量の低下に対比できる可能性を指摘した.また,北海道の十勝平野沿岸部にみられる河川でも同時期に河床が上昇したと考えられる.これらの時期における河床の上昇は,日本のその他の河川にも共通している可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
河川の中流域にみられる河成段丘は,その形成過程が十分に理解されているとは言い難かった.河成段丘を用いて隆起速度を推定することが可能であるが,そのように推定された隆起速度は放射性廃棄物の埋設処分の性能評価に用いられるため,社会的に重要な問題である.本研究ではルミネッセンス年代測定により,河成段丘の形成過程が数万年スケールの気候変動に影響されており,日本の河川において共通している可能性を指摘した.本研究の成果は,地盤の隆起速度の推定に関わる新たな知見を提供し,放射性廃棄物の埋設処分の性能評価に寄与する可能性がある.
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