研究課題/領域番号 |
20K13267
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
杉江 あい 京都大学, 文学研究科, 講師 (10786023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イスラーム化 / カースト / 宗教意識 / バングラデシュ農村 / 海外出稼ぎ / 海外送金 / マドラサ / 統計 / スケール / バングラデシュ / サウディアラビア / イスラーム主義 / イスラーム復興 / サラフ主義 / 移民 / 出稼ぎ / 巡礼 / 歴史的連続性 / フィールドワーク |
研究開始時の研究の概要 |
バングラデシュではムスリムが人口の9割以上を占め、近年のテロ事件から当国に対する関心は一般的にも高まっている。しかし、バングラデシュにおけるイスラーム主義の台頭を、グローバルなイスラーム復興の潮流や海外のイスラーム思想との接触に結びつけて考察する研究は、これまで行われてこなかった。本研究はイスラーム教最大の聖地であるサウディアラビアのマッカ(メッカ)における現地調査に基づいて、バングラデシュ人移民・出稼ぎ者の宗教的活動を明らかにし、それが彼(女)らの出身地域に与える思想的・文化的影響について検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度刊行した拙著『カースト再考』について議論するセッションが人文地理学会で開かれ、そこでいただいた批評や、個人的に寄せられたコメント、また『南アジア研究』に掲載された書評論文等をもとに今後の課題を整理し、考察を深めた。セッションでは理論的な枠組みにおける不十分な点や、フィールドの人びととどのように研究成果を共有しうるかといった課題が浮き彫りになった。ベンガル研究者から個人的に寄せられたコメントは、西ベンガル州側に暮らすシャナイダル(楽師カースト)の宗教的な背景や、東ベンガル出身者による儀礼の特徴、また、拙著の論じたバングラデシュのムスリムの間の「イスラーム化」と同様に、ヒンドゥーの間でも「ヒンドゥー化」が起こっている可能性など、示唆に富むものであり、今後の研究構想にとっても参考になった。書評論文では主に、拙著で論じた「ジャーティ思考-実践」の妥当性や汎用性について議論がなされ、今後拙著をもとにした英書を出版する上で、検討が必要な課題が明確になった。 下記の「現在までの達成度」の理由にあるように、本年度もサウディアラビアでの現地調査を行うことが叶わなかったため、本研究の研究期間を延長し、来年度サウディアラビアで現地調査を行うことにした。本年度はバングラデシュ農村でフィールドワークを行い、人びとの宗教意識に関する調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度はコロナ禍の影響で繰越や延長をしていたほかの複数の共同研究の最終年度にあたり、それらを優先的に進めざるを得ず、サウディアラビアで現地調査をすることが叶わなかった。本研究はまだ来年度に延長できる余地があったため、延長手続きを行い、本研究の核となるサウディアラビアでの現地調査は来年度行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
来年度にサウディアラビアのマッカで現地調査を実施し、マッカに集住するバングラデシュ人の世帯調査を行う。ただし、本務校での業務のため、長期滞在することが不可能なため、渡航期間中に行うことができない調査を、どこかに委託できないか検討する必要がある。この点については、マディーナ大学の研究協力者とも打ち合わせを行う。
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