研究課題/領域番号 |
20K13270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
佐竹 泰和 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (50834008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | テレワーク / 副業・兼業 / クリエイティブ人材 / 創造的人材 / 副業 / 情報産業 / 創造的活動 / 住民参加 / サテライトオフィス / 中山間地域 / 島根県 / 高知県 / デジタル・デバイド / ICT / 創造の場 / 地域再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,農村における地域再生の観点から地域住民の創造的活動に着目し,それらの活動と情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT)の利用実態との関係を明らかにすることを目的とする。ICTの普及により,遠隔地でも様々な情報や知識にアクセスできるようになったことを踏まえ,その利用動向を調査することで地域住民やアーティストなどの創造的活動に対するICTの役割を検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度は,地方における副業・兼業およびテレワークを用いた創造的活動の実態を明らかにした。当初の研究計画では,地域住民による創造的活動とICTとの関係の把握・解明を目指していたが,コロナ禍による調査の制約もあり,企業活動における創造的活動とICTとの関係に注目した。 まず,前年度におこなった高知県を事例とした県内立地企業の創造的活動とテレワークの導入との関係性に関するアンケート調査の追加調査として,企業へのヒアリング調査を実施した。その結果,調査対象企業の多くはコロナ禍を機にテレワークを導入したものの,テレワークによるクリエイティブ人材の採用は考えていない傾向にあることがわかった。一方で,フルタイムではなく副業・兼業による雇用形態で都市部のクリエイティブ人材を求める動きが一部企業でみられ,大都市圏に偏在しがちな営業企画や新規事業企画のスキルをもつ人材へのニーズが高い傾向にあることが明らかになった。本成果は学会発表1件および雑誌論文1件として公表した。 さらに2022年度後半には,高知県におけるケーススタディの成果を踏まえ,同現象の全国的動向をデータベースとして整理し,その地域的特徴について分析した。その結果,一部地方では全国と比較して,「マーケティング」や「経営企画」のスキルを有する人材を求める傾向にあった。全体からみれば数は限られるものの,副業やテレワークを組み合わせた働き方が地方企業の創造的活動に組み込まれた背景には,大都市に比べて実務に接する機会が少なく,高度な専門スキルを有する人材の乏しい地方の実情があると考えられる。本成果については学会発表1件で公表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響によりこれまで資料調査を中心に研究を進めていたが,2022年度は企業の創造的活動に関するヒアリング調査など現地調査を実施できたため,一定程度の調査研究を進めることはできた。一方で当初の目的である地域の創造的活動にICTがもたらす影響については解明できなかった。その理由として,特に2020年度と2021年度のコロナ禍における調査の制約で研究方法を変更せざるを得なかったことが挙げられる。2023年度はコロナ禍で生じた各種制限の影響が小さくなると予想されることから,研究課題に対する直接的なアプローチが可能になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度にテレワークや副業・兼業を通じた企業の創造的人材の求人に関する全国的動向の整理をしているが,都市規模や創造的人材の数などの地理的環境との関係性を十分に分析できていないので,その企業立地と創造的人材の募集を通じた知識・アイデア獲得との関係性について研究を進める。また現在までの進捗状況を踏まえ,全国的動向の中から企業の創造的活動とそれに対する政策や地域づくりの取り組みとして特徴的な事例を抽出し,ICTを活用した企業の創造的活動が地域にもたらす影響について現地調査を行い,それらの研究成果をまとめる。
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