研究課題/領域番号 |
20K13273
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 愛知大学 (2022) 立命館大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐藤 弘隆 愛知大学, 地域政策学部, 助教 (50844114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 祭礼 / 人文地理学 / 京都祇園祭の山鉾行事 / 犬山祭 / 山・鉾・屋台行事 / 弓矢町の武者行列 / 祭礼の継承 / 地理学 / デジタル・ミュージアム / 城端曳山祭 / 地理学評論 / 都市 / 社会 / 空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近現代都市における「祭礼の存立基盤」の再構築や「祭礼の社会空間」の創出のプロセスを都市の空間構造の変容と共に解明する都市社会地理学的アプローチを用い、その意思決定に関わる基準・論理の転換を「祭礼存続のストラテジー」という複数のモデルとして提示していく。事例研究においては、対象とする京都・犬山・城端の3つの歴史的都市の空間構造の現状やそこに至る変遷を復原する。そして、それによる制約を受けながら、各都市の祭礼に関わる複数の社会集団がそれぞれの役割や関係性、人員・資金・場所の確保をいかなる基準・論理で変化させているのかを明らかにし、都市間の比較を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、近現代都市における山・鉾・屋台などを出す祭礼の存立基盤の再構築のプロセスを、社会空間概念を用いて地理学的に明らかにし、得られた複数の事例を「祭礼存続のストラテジー」として提示していくものである。 2022年度は、前年度までの調査成果から「近代移行期の京都における祇園祭の山鉾行事の存続要因」を明らかにした論文を完成させ、地理学評論の論説として公表した。また新型コロナウイルスによる中断から復活(一部復活)した京都府や東海地方の祭礼の運営に関する調査を行った。そしてコロナ渦前後の京都祇園祭の船鉾の運営に関する講演や亀岡祭の調査報告書の執筆・公表などを行い、研究成果のアウトリーチに努めた。 京都祇園祭に関しては、山鉾とは異なる神輿渡御に関わる町内の調査・研究を本格的に開始した。「祇園祭デジタル・ミュージアム」のコンテンツの一つに加えている弓矢町を対象に、デジタル・アーカイブ資料を活用した歴史地理学的研究を開始し、昭和49年を最後に中絶状態にある武者行列の再開に向け、様々な取り組みを弓矢町町内会と共に進めている。 また、犬山祭に関しては、犬山祭保存会の役員会に毎回参加し、2023年4月の本格的な再開に向けての保存会の意思決定プロセスを調査した。この他に関係者への聞き取り調査や城下町のまち並み調査、資料収集などを行い、城下町の変化に伴う犬山祭の運営基盤の再構築過程を明らかにしつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年は一部の祭礼が通常に近い形での運営を再開したが、多くの祭礼では未だ制限が多くみられた。2022年の犬山祭は縮小開催に2日目の雨天中止も重なり、十分な調査が出来なかった。そのため、翌年度に向けた調査に切り替えた。また京都祇園祭の時期には研究代表者自身が新型コロナウイルスに罹患し、完全に近い形で再開したにもかかわらず、十分な調査が出来なかった。これも本格的な調査は、翌年度に持ち越しとなった。
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今後の研究の推進方策 |
3年間、新型コロナウイルスという想定外の出来事により、祭礼自体が完全な形で行われていない。しかしその間、当初の計画から遅れながらも直実にデータは集まって来ており、もう1年研究期間を延長することで、当初計画に劣らない研究成果を発信できると考える。
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