研究課題/領域番号 |
20K13275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所 |
研究代表者 |
宮内 洋平 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (40841391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | グリーンシティ / グリーン・ジェントリフィケーション / グリーン・インフラ / 公園 / 都市自然保全地区 / 批判的環境正義 / 環境人文学 / 港湾都市 / プラネタリー・アーバニゼーション / トランスカラー・ポリティクス / エンクレーブ / 自然の生産 / 産業都市 / インフラストラクチャ / 都市計画 / 環境政治 / 南アフリカ / 水問題 / ネオリベラリズム / 自然の地理学 / 環境史 |
研究開始時の研究の概要 |
ポストアパルトヘイトの南アフリカでは水資源の不均等分配(ウォーター・アパルトヘイト)が生じている。水資源の枯渇、不十分な水道インフラの維持管理、水道事業の民営化などがその要因であり、貧困層が苦境に立たされている。そこで本研究は、地理学の社会的自然研究の理論的枠組から、南アフリカ大都市を対象に水資源の新自由主義的・権威主義的統治の実態と、この状況に抗して生まれたコモンズとしての水資源管理を希求する社会運動の実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度はイギリス、南アフリカを中心とする都市研究者と日本国内の都市研究者とオンラインによる研究会を重ね、アフリカの都市をグローバル・サウス都市論の文脈で論じるための方法論や理論に関して見解を深めることができた。とくに集中的に研究を進めたテーマはグリーンシティの批判的環境正義研究である。強者の論理で展開されがちなグリーンシティ構想やグリーンインフラ整備は、環境を必ずしも保全することに繋がらないケースも多く、ジェントリフィケーションを引き起こし、弱者を排除する結果を生み出していると指摘されてきた。本研究の調査対象地域であるヨハネスブルク市は世界最大級とも言われる都市人工林を抱え、緑による都市のブランディングを推進してきた。これにより都市自然保全地区、公園、緑地などの公有地とともに、ゲーテッドコミュニティのような私有地が広大な緑地を囲い込み、管理している現状がある。一見、緑地が保全され、拡張されることは良いことのように見えるが、誰が緑地を利用でき、誰が排除されるのかを改めて問い直す必要がある。とりわけ、2010年代からヨハネスブルクのインナーシティの再開発事業が進められているが、これらは都市の緑の排他的利用を進める代表的な都市開発といえる。今年度も新型コロナウイルスにより現地調査は実施できなかったが、過去のフィールド調査の結果に基づきながら、新たな情報をオンライン等の手段で入手しつつ、ヨハネスブルクのグリーンシティの批判的環境正義研究に関する口頭発表、および共同執筆者として1章を担当する書籍の原稿を出版社に提出することができた。また国外研究者と共同で研究を続けてきたアフリカの都市マスタープランに関する研究の成果を発表することもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、南アフリカにおける現地調査ができなかった。オンラインで国内外の研究者との交流と研究会をすすめることができ、口頭発表や出版物の原稿の準備もできた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミック状況は南アフリカにおいても解消されたと考えられるので現地調査を実施をする。また今年度までに一次文献資料、二次文献資料の整理をすすめてきたが、その結果と現地調査の成果に基づき、論文執筆の準備にとりかかる予定である。
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