研究課題/領域番号 |
20K13283
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小林 宏至 山口大学, 人文学部, 准教授 (40781315)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 客家 / 漢族 / 親族 / 宗族 / サイバースペース / ガーナ / オンライン空間 / エスニシティ / 現代中国 / サイバー空間 / コロナ / 華僑 / オラリティ |
研究開始時の研究の概要 |
中国社会における親族組織は、現代的に形を変えようとしている。少なくとも各人の親族へのインターフェイスは確実に変化している。文化人類学および中国社会の研究において、スマホを介した親族関係を描き出すことで、親族研究、宗族研究を「更新」する。それはこれまでの研究で培われてきた系譜、氏族、房、婚姻というもの、あるいはサブスタンスやリレイテッドネスといった概念の否定ではなく「更新」である。スマホを介した親族的紐帯、とりわけ音声チャットを介した関係性が彼らのネットワークをどのように再構築していくかを描き出す。
|
研究成果の概要 |
本研究で明らかになった点は主に以下の3点である。1.現代漢族社会においてサイバー空間は新たな研究領域となっており、親族間の日常的な対話、金銭のやりとり、情報の共有、経済活動もウィーチャットグループを通して頻繁に行われている実態が明らかとなった。2.同じ客家というエスニックグループであっても、中国国内におけるグループと中国国外(台湾、香港、シンガポール、北米、オセアニアなど)のグループにおいて、エスニシティをめぐる言説空間が異なることが明らかとなった。3.現代中国のサイバー空間においてはテクストと同様、あるいはそれ以上に音声での交流が非常に重要であることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、現代漢族社会における親族組織の在り方を、サイバー空間の利用形態から分析し、これまで祖先からの系譜や二者間の「関係」を軸に議論されてきた、父系出自を基盤とする宗族を「更新」させることにあった。 新型コロナウイルスの蔓延の時期と重なったため本研究は当初の計画を大幅に変更せざるをえなくなったが、そのなかでもいくつかの重要な成果を導くに至った。それはサイバー空間が新たな親族の交流のアリーナとなっている点。アフリカ(ガーナ)の移民とも情報が同期される点。国境を超える空間と国境に阻まれるサイバー空間が存在する点などである。これらは従来の宗族観を更新するものである。
|