研究課題/領域番号 |
20K13289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
村上 志保 明治学院大学, キリスト教研究所, 研究員 (90526790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中国プロテスタント / 宗教政策 / 国際教会 / グローバル化 / 海帰キリスト教徒 / 華人キリスト教コミュニティ / グローバル化と宗教 / 中国宗教政策 / 宗教関連法 |
研究開始時の研究の概要 |
共産党政権下の中国において宗教は国家の管理対象であり、その管理は、宗教に関わる諸要素を国家という枠組みに固定し、国外との交流を制限することを前提とする宗教政策に基づいて行われてきた。一方で経済発展に伴い宗教を含む社会全体に対するグローバル化の影響は拡大している。この状況に鑑み本研究では、中国国内のプロテスタント教会および海外華人教会を主な調査対象とし、宗教をとりまく環境のグローバル化の実態、国を越えて移動する信者たちの宗教実践および宗教的アイデンティティの多様化の状況、さらにそれらが中国の政教関係に与える影響について調査研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は中国国内のプロテスタント教会を主な調査対象とし、宗教をとりまく環境のグローバル化の実態、国を越えて移動する信者たちの宗教実践および宗教的アイデンティティの多様化の状況、さらにそれらが中国の政教関係に与える影響について分析することを目的としたものである。新型コロナ感染拡大による渡航規制のため、調査対象を海外で改宗し中国に帰国した海帰キリスト教徒に絞り、中国プロテスタントにおけるトランスナショナルなネットワーク形成と、国際移動の制限下の海帰キリスト教徒の現状を分析した。結果として現在はトランスナショナルなネットワーク形成は主にサイバー空間を中心としている状況等を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、2010年代半ば以降の中国国内における海帰キリスト教徒(以下「海帰教徒」)増加に注目し、中国において生じている宗教をめぐる移動やネットワークの国を越えた拡大をめぐる、宗教側と政府の間のせめぎ合いの状況を明らかにした。中国政府は長年宗教の越境性を封じることで宗教をコントロールしてきたが、中国経済の発展とグローバル化に伴う人々の国際移動の拡大と多様化は、宗教政策による制限を越えたトランスナショナルなキリスト教コミュニティの形成を後押ししてきた。本研究の意義は、中国において現在進行中である宗教をめぐる大きな転換点を、特に信者たちの国際移動の影響という点から明らかにした点にある。
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