研究課題/領域番号 |
20K13295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 不可知 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (00822644)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インフラストラクチャー / 車道 / ヒマラヤ / ネパール / 観光 / 山岳 / 山岳観光 / トレッキング / 登山 / 車道建設 / モビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ネパール・ヒマラヤの山岳観光地域における車道建設とその影響について分析することである。現地でのフィールドワークを通して、車道の建設が急ピッチで進行するエベレスト地域と、すでにメインルートの車道が完成したアンナプルナ地域の二地点からデータを収集する。さらに両者の比較をすることから、ヒマラヤ山間部の車道が山村社会や移動する人々の実践に与える多面的な影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、①ネパールの山岳観光地域における車道建設が沿道の社会と実践に与える影響を明らかにすることである。また新型コロナウイルスの流行に伴い、②コロナの流行がネパールの山岳観光にどのような影響を与えたのか、および③日本における山岳観光はいかなるインフラによって支えられているのかを研究目的に追加した。研究期間中には三度のネパール調査を実施し、ネパール山間部では車道が希求され、その変化は従来の生活と連続的なものと語られていること、またコロナ後に観光客数は回復したものの、とりわけ高地の村で従来見られない人口流出が起きていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、従来の移動研究ではさほど注目されてこなかった移動の微視的側面を、車道建設およびそれに伴った変化の渦中にある社会と実践への参与観察を通して描き出す点にある。このことは、急速な道路網の整備が進むネパールにおいて、道路が沿道社会に対して及ぼす影響を明らかにする点で社会的に重要な意義も備えている。また山がちな環境化で進行するネパール・ヒマラヤのインフラ開発の事例は、対照的にインフラの老朽化が進む日本の山間部のあり方を考えるうえでも有用な知見となるだろう。
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