研究課題/領域番号 |
20K13299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 琉球大学 (2022-2023) 北海道大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
李 妍淑 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90635129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 面会交流 / 親権 / 子の意思の尊重 / 親ガイダンス / 高葛藤事案 / 合意形成 / 当事者支援 / 東アジア / 子の最善利益 / 親子法制 / 家族法 / 離婚 / 高葛藤 / ジェンダー / 父母の離婚・離別 / 家族の多様性 / 台湾 / 子どもの権利・福祉 / 高葛藤離婚 / 親子法(の再構築) / 子の監護・養育 / 面会交流(高葛藤) / 子どもの福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
DVや虐待を事由に離婚した家事紛争では、通常の法適用による解決が困難な場合が多く、親権の所在を問わず、事案ごとに応じた被害者と子の利益に敵う法運用が強く求められる。本研究では、①中国の面会交流の実態と親子法制を台湾と韓国と比べて類型化し、②DVや虐待を事由に別居する親子の面会交流の実態とそれに関わる法実務を調査することによって、親子法制に関わる中国の法的状況を確認する。その上で、③日本の面会交流と親子法制に求められる法的課題を浮き彫りにし、解決策を探る。例えば、ソーシャルワーカーや第三者による監督システムの導入など、具体的な政策を提言し、現下の法改正論議が進展するよう理論面から寄与する。
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研究成果の概要 |
親の離婚や別居には常に子への影響が伴う。DVや虐待がある場合、なおさらである。本研究では、親子法制のあり方を探るため、東アジアの親権及び親子面会交流に関連する制度や実態を比較し、「子の利益」を優先的に保障するために必要な条件を考察した。その結果、あるべき親子法制は、「子の利益」保障を軸としなければならないことが明らかになった。具体的には、親子面会交流について言えば、子の意見表明権を保障し、養育や面会交流を含む合意を迅速に形成すること、またその実現に向けて当事者支援システムを構築していくことが不可欠である。この点は、中国を含む東アジア諸国の共通課題でもある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、東アジアの親権及び親子面会交流に関する制度と実態を比較検討し、各々の制度と実態との間にみられる乖離を踏まえた上で、継続的な子の権利保障を可能にする親子法制のあり方を構想した。文化的に近似した東アジアの比較研究は、中国のみならず、日本の親子法制をめぐる学術的議論に対しても「子の利益」保障を軸とする一定の指針を示した。また、「子の利益」保障に資する親子法制を、司法的なものにとどめず、当事者支援機能にまで拡大して捉えることも可能であり、継続的な面会交流責務の履行確保へ繋げ、ひいては最終的な紛争解決が期待される。
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