研究課題/領域番号 |
20K13300
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 山形大学 (2020) |
研究代表者 |
永石 尚也 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (20782923)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 執行統制 / 法の実現プロセス / EBPM / リスク / 法の支配 / 法多元主義 / legisprudence / digisprudence / 法内在道徳 / 代替的正統化要素 / 尊厳 / 信頼 / 感染を通じた統治 / 法執行 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、グローバル化する政策実現過程・行政過程のうち、とりわけ法執行における正統性確保のための原理の探求にある。その上で本研究は、法学各領域を横断する「執行研究 Enforcement Studies」の構築を志向する。 本研究では、第一に、近時の立法理学の議論から逃れてきた法の執行過程、即ち法形成-法執行-事後改善に至る一連の時間的幅を持つ法の実現プロセスの正統性確保の原理を抽出する。第二に、法の現実(実践)における主体面での拡散と多元化(私化・グローバル化)と、実施面での統治手法の精緻化・範囲拡大(制裁・法執行とアーキテクチャによる統治の拡大)の中で変容する「法」概念を再定位する。
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研究成果の概要 |
本研究は、グローバル化する政策実現過程・行政過程のうち、とりわけ法執行における正統性確保のための原理の探求を目指したものである。奇しくも本課題がコロナ禍と時期的に付合していたことを契機とし、コロナ禍における法執行の融解現象への応答も期して、課題①近時の立法理学の議論から逃れてきた法の執行過程における正統性確保原理を抽出すると共に、課題②法の現実(実践)における主体面・実施面の拡散状況の中で変容する「法」概念を再定位した。本研究の結果、デジタル社会における立法-執行理学(digisprudence)が浮き彫りとなったが、それ自体が本研究の成果であり「執行研究」のさらなる発展の基礎を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
理論的側面として、国際的に拡がったレジスプルーデンス運動が司法と立法の関係への問題を提起する一方で、グローバル化する「法」の実現過程を現在まで等閑視してきた点がある。法の執行段階における済し崩し的な緩和が各法分野をまたいで広範に広がりつつある現状を踏まえるならば、「法」を担う主体の拡散とその手法の普遍化に即して、統治の手法としての「法」の位置付けと「法」的統制の限界を検討する必要は極めて大きい。 実践的側面として、COVID19下における「感染を通じた統治」の変容と、デジタル化の進展に伴う新たな執行統制原理の必要性が可視化された点がある。 これら課題を法哲学的見地から取り上げたのが本研究である。
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