研究課題/領域番号 |
20K13303
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 絢子 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究者 (40724034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 先住民族 / 漁業権 / 国籍 / 法思想史 / 樺太 / 樺太先住民 / 帝国臣民 / 法文化 / 樺太先住民族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日露統治下にあった樺太(サハリン)先住民族が認識していた帝国臣民としての「権利」の内実を明らかにすることである。本研究は、樺太先住民族が日露の帝国統治を経験する過程で、彼らが臣民として統治者に要求した「権利」のかたちとその内容を、彼らの主要な生業のひとつであった漁業と、1932年に付与が決定する日本国籍という二つの側面から分析する。保護政策上で実現された権利や法的身分が先住民族にとっていかなる意義を持っていたのかを明らかにすることにより、樺太における先住民族統治の包括的な分析が可能になると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、樺太先住民(アイヌ、ウイルタ、ニヴフなど)が日露二つの帝国統治を経験する過程で、彼らが臣民として統治者に要求した「権利」のかたちとその内容を、彼らの主要な生業のひとつであった漁業と、1932年に付与が決定する日本国籍という二つの側面から分析し、日露統治下にあった樺太先住民が認識していた、帝国臣民としての「権利」の内実を明らかにすることである。国内のコロナウィルス感染状況が収束に向かいつつあるため、前年度まで控えていた遠方での調査を以下の通り実施した。 まず、1920年代から戦後初の国会議員選挙開催時期までの樺太先住民の政治的活動について調査すべく、8月に国立国会図書館(東京)にて『樺太日日新聞』および『アイヌ新聞』等の雑誌記事を閲覧した。9月には北海道大学附属図書館で雑誌『樺太』、『毎日新聞』(地方版)など樺太・北海道地方の雑誌記事を閲覧した。11月には北海道立図書館にて、国立国会図書館および北海道大学附属図書館に所蔵されていない『樺太日日新聞』および北海道の各地方新聞を閲覧した。その結果、断片的ではあるが樺太および戦後の北海道における樺太アイヌの政治的活動を知ることができた。また12月2日にはサハリン樺太史研究会例会第68回にZoomにて参加し、樺太先住民に関する文学研究から近代化のなかでの先住民の複雑なアイデンティティについて学ぶことができた。2024年2月には今年度の自身の研究について九州史学研究会近現代史部会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ロシア帝国統治時代のサハリン島における漁業関連の史料をロシアで閲覧する予定であったが、ウクライナ情勢の影響もあり実施することができなかった。また、今回調査した資料群からは本研究テーマに関する情報を十分に得ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今回は樺太に関する新聞および代表的な雑誌記事を調査対象としたが、研究テーマに関する十分な情報を得ることが出来なかったため、上記以外の雑誌や聞き取り調査なども次年度以降の調査内容に含めていきたい。
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