研究課題/領域番号 |
20K13306
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
Korneeva S 帝京大学, 文学部, 准教授 (30599494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 江戸時代の刑罰 / 死刑 / 切腹 / 江戸時代 / 刑罰 / 法制文化史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の江戸時代に刑罰として適用された切腹に着目し、諸藩での適用のあり方を考察するものである。この作業を通して、藩での実務レベルでの切腹のあり方を明らかにする。 公事方御定書に代表される幕府法においては切腹刑が明記されておらず、武士に対する特別な処刑として適用されたことを踏まえ、本研究は、切腹がどのような罪に対し課せられたかに着目し、事例の収集と分析をすることによって刑罰としての切腹を実証的に捉えることを目的としている。
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研究成果の概要 |
江戸時代の刑法では、切腹の適用資格について、御目見以上の武士に科されるのが原則であるが、実際は御目見以下でも切腹を科されることがあったとと指摘されてきた(平松義郎)。 切腹か斬首かについては、幕府の評議所で寛政元(1789)年11月に行われた協議によると、口論または酒狂で刃傷に及び相手が死亡した場合、口論または酒狂で起こされた刃傷を裁く際、侍以上であれば切腹、以下であれば下手人というように、身分の軽重が死刑の方法を分ける目安であった。しかし、江戸時代前期の諸藩における死刑適用の運営は必ずしも幕府の方針と一致していなかったことが今回の調査から明らかになり、分析の深化が今後の課題となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
武士身分であれば、人殺しのような重い罪に対する処罰は決まって切腹だったという今日の通念は必ずしも事実に対応していないことが諸藩の事例から明らかになった。例えば、江戸時代前期の加賀藩において、武士の罪と罰の位置付けについて、盗みや臆病といった武士に相応しくない行為は切腹ではなく打首にすべきと、罪の性質によって切腹と打首を区別していた。武士であっても、犯罪の規模や状況によっては打首に処されることが少なくなく、罪の重さを計り、死刑方法の中から適切なものをその都度選択していこうとする姿勢を確認することができた。 今後の課題として、地域と時代を少しずつ広げつつ、更なる事例収集とともに、比較検討をしていく。
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