研究課題/領域番号 |
20K13307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
出雲 孝 日本大学, 法学部, 准教授 (90774513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 法思想史 / 法哲学 / 自然法 / 近世ドイツ / イマニュエル・カント / クリスティアン・トマジウス / 所有 / 占有 / カント / 所有権 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の目的は、18世紀ドイツにおける法学と哲学との学際的影響関係を、イマニュエル・カント『人倫の形而上学』(1797年)を通じて明らかにすることにある。カントは同書において法学文献をほとんど引用しておらず、どこから法的知識を得たのかを詳らかにしていない。このため、カントが自然法の講義で用いたアッヘンヴァルの『自然法』と比較することが試みられている。しかし、アッヘンヴァルの学説とカントの法論とのあいだには重要な相違がみられ、カントがアッヘンヴァルの学説を基礎にしたとは言い難い。そこで、法論の正確な理解のためにも、カントが参照した法学文献を、当時の史料や理論の相互比較を通じて特定する。
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研究成果の概要 |
本研究は、18世紀ドイツの哲学者イマニュエル・カントが『人倫の形而上学』の法論において参照した法学文献を実証的に特定し、これによって当時の法学と哲学との学際的交流を明らかにするものである。その研究成果として、カントは当時の法学文献を幅広く渉猟しており、特定の法学者の見解から影響を受けていることが明らかになった。クリスティアン・トマジウス(1655-1728年)のような著名な法学者からの影響が確認された他、カール・ヴィルヘルム・ローベルト(1740-1803年)のような、現在では注目されていない法学者からの影響も確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、哲学者イマニュエル・カントが『人倫の形而上学』の法論において参照した法学文献を特定し、当時の学際活動の一端を解明したことである。その法学文献の中には、現在ではあまり知られていないものも含まれていることが確認された。今後のカント研究にあたっては、調査対象となる文献を拡張する必要があると推測される。また本研究成果の社会的意義として、現代社会において学際研究の重要性が増している中、カントをひとつの手本として参照する可能性を提示することができた。
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