研究課題/領域番号 |
20K13309
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
齋藤 健一郎 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (60756881)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 法律の時に関する効力 / 時際法 / 遡及効 / 即時効 / 旧法の効力の存続 / 経過措置 / 時間的適用範囲 / 時間的適用関係 / 経過規定 / 法と時間 / 行政法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、法令の時間的適用関係を画定するための分析枠組みの構築を目指すものである。具体的には、以下の4点の研究を行う。 ① 20世紀後半以降のフランス法の理論的研究を通じて、法令の時間的適用関係を画定するための分析枠組みを研究し、理論モデルの提示を試みる。 ② 公法分野での法令の時間的適用関係の独自性を明らかにする。 ③ 日本の立法実務・裁判例において、法令の時間的適用関係を画定するための指針・基準はどのようなものであるかを明らかにする。 ④ フランス法研究から示唆を得た理論モデルと日本の法令・裁判例との比較分析を行い、日本法において妥当する時間的適用関係の理論の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
単著『行政法の時に関する効力』(弘文堂)を刊行した。本書により、本研究のここまでの研究成果(一部に本研究以前のものを含む)である既発表論文を基にして、ここまでの研究成果の体系化を試みた。すなわち、日本法およびフランス法の研究に基づき、法律の時間的効力・時間的適用関係を、①法律が過去に対して効力を及ぼす「遡及効」、②法律が現在(施行の際に現に存する人・物や法律関係・法的地位)から将来に対して効力を及ぼす「即時効」、この②の逆である③法律が現在から将来に対して効力を及ぼさずに旧法がなおも有効であり続ける「旧法の効力の存続」という3つに類型化をした上で、それぞれに関する法原則(例えば①を原則として禁止する法律の不遡及原則)を検討するとともに、それぞれの判断枠組みの精密化を行った。 以上により、法律の時間的効力・時間的適用関係について、理論的見地からの体系化を行うことができた。立法実務や訴訟において、法律の時間的効力について疑義・争いが生じた場合には、この理論に基づき一定の解決を示すことができるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単著の刊行を通じて、本研究課題について理論的な体系を提示することができ、大きな進展となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までで、日本法の主要な判例の分析、立法の整理分析、フランス法の理論研究それぞれについては一定の研究の進展を見ることができた一方で、①フランス法の比較的最近の理論的進展、②日本の最新の判例分析を通じた現代的課題について、なお課題が残っている。次年度は、この①②について取り組むこととしたい。
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