研究課題/領域番号 |
20K13313
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
住永 佳奈 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (60826519)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 租税法 / 所得課税 / 財産移転 / 家族 / 消費 / 資産課税 / 移転 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで課税関係があまり明確にされてこなかった、家族という一体的な関係性のもとで行われる移転に伴う諸問題について、①家族内での所得の発生と移転における財産所有の意義、②家族内での財産の保有と移転に対する課税の方法、③租税法における家族観と所得の原義としての心理的満足、の3つの項目を研究の柱として、家族内での移転と第三者間での移転の公平および、課税方式の選択に関する財産の世代間移転の公平の実現を目指した考察を行う。 本研究の成果は、財産形成手段が多様化し、高齢化も進む日本社会において、家族内、第三者間、世代間での公平な課税を実現するための、理論的基盤を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、家族という一体的な関係のもとで行われる財産の形成・保有・移転に関する所得課税および資産課税上の諸問題を考察することにより、家族内での移転と第三者間での移転の公平および、課税方式の選択に関する財産の世代間移転の公平が達成されること、また、家族内、第三者間、世代間での公平な課税を実現するための理論的基盤を提供することである。 研究初年度である本年は、日本および米国の裁判例を素材として、家族内における所得の発生と移転における財産およびそれから生じる所得の実質的な支配という要素を課税にどのように反映すべきかを、家族内における財産の形成・保有・移転手段の特性を踏まえて論じる計画であった。資料調査の過程において、所得の要素の一部である消費、とりわけ日常的な消費のための支出が所得獲得に貢献することを所得課税において反映すべきか、するとしてどのような方法がありうるかという、より根本的な問いを先に論じるべきであると考えた。そこで、物的資本との対比における人的資本の特色として消費を取り上げ、消費も所得獲得に貢献しうるため、消費であることのみでは控除を否定する理由とならないこと、また、控除のあり方として人的控除等も考えうることを、日本および米国の裁判例を参考に論じた(京都大学法学論叢189巻3号掲載予定)。消費は、たとえば家族における所得の稼得者が他の家族構成員の生活費や学費、医療費を支出するという形で、家族内における財産の移転を構成するものであると考えられる。
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