研究課題/領域番号 |
20K13330
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二杉 健斗 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 准教授 (30824015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 投資条約仲裁 / 国際投資法 / 国際法と国内法 / グローバル法 / intra-EU IIA / ICSID / 国際法と国内法の関係 / 国際法主体性 / 投資家 |
研究開始時の研究の概要 |
外国投資家と投資受入国との間の投資紛争は、投資条約に基づき国際仲裁に付託されることが常態化しているが、他方で、国内法および国内裁判所もまた様々な局面で関与することがある。特に近年では、国内裁判所が仲裁手続きに「干渉」する例が増加しており、両手続きの間の関係を明らかにする必要性が、実践的にも理論的にも増大している。本研究は、この問題の分析により、①国際投資法の形成と発展に対して国内法と国内裁判所が与える影響を実証的に明らかにするとともに、②投資家の法的地位の認識枠組みとしての「国際法主体性」の概念の理論的意義を検証し、必要な場合には新たな枠組みを提示する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、投資条約仲裁と国内法および国内裁判所との間の関係に関わる1次資料と2次資料の分析を行った。本研究課題の中心的な問題の1つである、仲裁手続法レベルにおける国際法(投資条約)と国内法との間の交錯に関して、昨年度以来EU構成国間の投資条約(intra-EU IIAs)に基づく投資仲裁の可否の問題を検討してきた。本年は、この問題に関して史上初めて仲裁管轄の成立を否定した仲裁判断例(Green Power v. Spain, 16 June 2022)を分析し、ICSID条約に基づく投資仲裁と、投資条約と仲裁地国内法の双方に基礎を置く投資仲裁との間の法的な性質の差を再確認し、判例評釈として公表した。この問題をめぐって関連する他の事例も引き続きフォローした。 また、同様に手続法レベルでの法の交錯に関し、国内裁判所が国際仲裁の差止めを命じる手続(いわゆるanti-arbitration injunction)の問題について資料の収集を行った。この種の手続は、近年ICSID条約仲裁に関しても申し立てられており、上で確認したICSID条約仲裁の自律性との関係で注目するべき事象である。各国国内法の内容も問題となるため、関連文献も含めて検討を進めている。 さらに、世界的な「脱グローバル化」の流れの中で、国際経済法の「国内法化」も指摘されていることに鑑み、対内投資に対する投資受入国国内法による規律にも視野を広げ、論点の検討を行った。特に経済安全保障とサプライチェーン強靭化の動きから対内投資の規制と推進の国際法的整序が問題となると考えられ、通商法・投資法にまたがる検討が急務であることを国際学会にて口頭で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中核的論点について議論の状況を整理し、問題の全体像を大きく明確化することができたため。公表できた主要な業績は判例評釈にとどまるものの、国際投資法と国内法の交錯が生じる機序を明らかにできたことは、今後の研究を進める上で重要な足がかりとなるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究の総括に向けて、引き続き資料の収集と分析を継続しつつ、検討成果を研究会等で批判にさらし、各媒体での公表を目指す。新たに着手した国内法を通じた対内投資規制の問題については、年度内に一定の業績を公表できるよう作業を急ぐ。
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