研究課題/領域番号 |
20K13331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 東京都立大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
加藤 紫帆 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60825602)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 抵触法(国際私法) / 国際民事手続法 / グローバル法多元主義 / 考慮(データ理論) / 宗教規範・慣習規範 / イスラーム金融 / 人権デュー・ディリジェンス法 / イスラム金融 / 公法(強行的適用法規)の考慮 / 宗教規範の考慮 / 国際私法(抵触法) / 法多元主義 / 外国法の考慮 |
研究開始時の研究の概要 |
今日の社会では、国境を越えた人の移動の活発化により家族関係が複雑化し、特に自らの属する集団の宗教規範・慣習規範を維持する移民の家族関係を巡り、国家法と非国家法とが併存する法多元的な状況が生じている。従来、国際的な法律関係(国際結婚など)について適用される法を決定する抵触法(国際私法)において、非国家法規範は法ではないと考えられてきたところ、近時、多文化主義的な共生という観点から、非国家法規範を事実として「考慮」するという方法が注目を集めている。本研究は、「考慮」という方法の理論的明確化を行い、家族関係を巡る国際民事紛争における宗教規範・慣習規範の処理方法の提示を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究の成果としては、まず、国家以外の主体が形成する規範と国家法とが法多元的な状況を生じさせると考えるグローバル法多元主義の観点から、従来議論されてきた外国規制法についてだけでなく、宗教規範・慣習規範や、準拠法として指定されなかった第三国の私法的法規についても、その考慮が問題となり得ることを、具体例を用いつつ示したことが挙げられる。また、考慮という方法の具体的内容を巡る諸外国の議論を整理・分析し、従来日本において正面から議論されてこなかった、考慮という方法の具体的内容(正当化根拠、対象、要件)について提示したことが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで日本では正面から議論されてこなかった、考慮という方法の具体的内容(正統化根拠、対象、要件)について、本格的に検討するものであり、法多元的な状況の下でその有用性が指摘されている、考慮という方法を巡る国内の議論の今後の発展に寄与するものである。また、従来日本でも議論されてきた外国規制法との関係だけでなく、移民時代においてますます法多元な状況が進展する中では、宗教規範・慣習規範といった非国家法規範との関係でも、考慮という方法が新たな有用性を有することを、具体的事例を踏まえつつ明らかにするものとして、このテーマに関する国際的な議論の発展にも、一定の貢献を果たすものと位置付けられる。
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