研究課題/領域番号 |
20K13336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
鳥谷部 壌 摂南大学, 法学部, 講師 (40823802)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 国際河川法 / 共有水資源 / 共有天然資源 / 陸起因海洋汚染 / 福島第一原発処理水の海洋放出 / 海洋プラスチックごみ問題 / 重大損害防止原則 / 衡平利用原則 / 原発処理水海洋放出 / 健全な環境に対する権利 / 国際河川重大損害防止義務 / 国際河川衡平利用原則 / 純粋環境損害の金銭賠償 / 気候変動 / 陸起因汚染 / 海洋プラスチックごみ / 河川法 / 海洋法 / 国際法 / 国際環境法 / 国際海洋法 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、世界各地の海洋において海洋汚染が深刻化している。河川から海洋に流出するプラスチック類の汚染に対して地球規模での早急な対応策が求められている。しかし国際法は、陸起因の海洋汚染問題に対して、これまで個別的及び地域的に発達させてきたにとどまる。とりわけ陸起因汚染の場合には河川法と海洋法の調整・統合が必要となるが、この課題の解明が遅れている。本研究は、陸起因海洋汚染として最近深刻な問題となっている海洋プラスチックごみ問題に着目し、国際法の観点から、その有効な解決策を見いだすべく検討を行う。
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研究成果の概要 |
今日、世界人口の増加とそれに伴う水需要の急増は、気候変動の影響と相まって、世界各地で水資源をめぐる国家間の摩擦原因となっている。国際法は、伝統的に国際河川の非航行的利用に関する条約並びに慣習国際法の発達により、国際水資源紛争の解決ルールを精緻化させてきた。ところが、国家間の水資源紛争は、河川のみならず、越境地下水や、淡水と海洋の関連する問題へと拡大している。より広くは大気、環境それ自体、生態系など共有天然資源の保存・管理に関する国家間紛争もみられる。こうした事態に国際法はいかに対応すべきか。本研究は、国際河川法を基礎に、共有天然資源の国際法秩序を構築するための端緒となる研究を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、次の2点を挙げることができる。第1に、伝統的に発展を遂げてきた国際河川法の理論は、国際河川以外の共有資源(地下水、海水、大気など)の利用および管理に関する国際法の構築にいかなる影響を与えうるか(または与える余地がないか)、もし影響を与えるとすれば、それはどのようにしてかについて、本研究が一定の視座を提供しうる点である。第2に、とりわけ国際河川・地下水・海洋にまたがる共有水資源の利用および管理に関する国際法上の問題である「海洋プラスチックごみ」について、その規制を目的として現在進行中の新条約策定作業とその将来の方向性について、本研究が若干の示唆を提供しうる点である。
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