研究課題/領域番号 |
20K13340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊晴 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50757515)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 傷病予防 / コロナ禍 / テレワーク / 使用者の健康管理義務 / 労働者の傷病 / 社会経済委員会 / 労働医 / 安全衛生労働条件委員会 / 労使対話 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「傷病に陥った労働者の意思を適切にくみ取りつつも、その傷病の状態および就業能力に応じた適正な処遇を実現できるような労使対話システムを構築することができないか?」という問いを設定し、その問いに対し一定の示唆を得るため、フランスにおける実証的調査を行う。フランスでは、傷病に陥った労働者の処遇決定の際に、労働組合以外にも多くの機関が介入することが制度化されており、それが結果的に労使対話を促進する機能も果たしている。そこで本研究では、これら機関にインタビュー調査を行い、関与の実態について詳細に明らかにするとともに、これら機関の働きが、どのように労使対話の促進に寄与しているのかを分析したい。
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研究実績の概要 |
2022年度は、傷病労働者の適正処遇に向けた労使対話システムを考察するために、フランスに赴きインタビュー調査を予定していた。しかし、年度の後半には渡航が制限なく可能となったものの、それは結果論に過ぎず、年度の前半には渡航の具体的な計画を立てることはできなかった。また、年度の後半に渡航が可能となりはしたが、現地の実務家や研究者のなかには、いまだ、感染拡大を懸念して面会の予約を断るものも少なからずおり、効率的な調査活動ができる状況ではなかった。以上から、本年度も渡航調査を事実上断念せざるを得ない状況が続いた。 そこで、本年度は昨年度に引き続き、国内において、コロナ禍による労働者の労働形態の変化が、労働者の健康管理にどのような影響を及ぼし、またそれにより労働者の健康管理に関する使用者の法的義務にどのような変化を生じさせるか、考察を行った。 とりわけ、コロナ禍ではテレワークが多くなることから、労働者の自宅など使用者の監視が行き届かない空間において、どのように健康管理を行うかが重要である。使用者は、自宅等の作業環境に関する状況の報告を求めること、及び必要な場合には、労使が協力して改善を図ることや、自宅以外の場所の活用を検討することが重要である。 また、コロナ禍においては、より柔軟な働きかたを求め、雇用ではなくフリーランスという働きかたを(一部に)取り入れる者も現れてきている。ちょうど時を同じくして、政府が副業兼業を推進していることも後押しとなり、副業としてフリーランスという就労形態が増加した。ただ、フリーランスは指揮監督者が存在しないため、一層のこと健康管理が難しくなるという側面を有する。また、副業兼業の場合は、一日のうちで管理者がいる時間帯といないフリーランスの時間帯が存在することあるため、どのように健康管理を規律するかということが新たな課題として浮かび上がっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の初年度よりコロナ禍に見舞われ、本研究の主要調査方法である海外実態調査が事実上不可能な状況が続いていたため。制限なく渡航が可能となった現在においても、コロナ禍の影響で調査対象者に面会を断られるケースが増えているため。
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今後の研究の推進方策 |
渡航調査は断念せざるを得ない状況となっていることから、もっぱら文献調査のみにより、研究を遂行する方法を考察中である。
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