研究課題/領域番号 |
20K13348
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冨川 雅満 九州大学, 法学研究院, 准教授 (80781103)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 現代型詐欺 / 実行の着手 / 財産犯罪 / 詐欺罪 / 準詐欺罪 / 窃盗罪 / 電子計算機使用詐欺罪 / 詐欺罪における錯誤 / 準詐欺 / 特殊詐欺 / 財産的損害 / 補助金等不正受交付罪 / 故意 / 錯誤 / 准詐欺罪 |
研究開始時の研究の概要 |
特殊詐欺に代表される近時の詐欺手法には、従前の詐欺関連犯罪にはない特徴が見られる。本研究では、新たな特徴を持つ詐欺関連犯罪を現代型詐欺として位置付け、この現代型詐欺に対して現行の刑事司法が十分かつ適正に対応できているどうかを調査し、問題の生じている領域に対して解釈論上の解決提案を行うものである。下記(1)(2)(3)の研究は、現代型詐欺に対する処罰の適正化を図ることを目的に、従来の刑法解釈論を発展させるものであるが、同時に、解釈論による対応の限界を示すものである。その成果は、今後、法改正の提案につながることが見込まれる。
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研究成果の概要 |
本研究は、a)実行の着手、b)詐欺罪における錯誤要件、c)準詐欺罪の活用に関する研究から構成される。a)研究では、窃盗罪においては被害者が財物に対して設定している物理的・心理的障壁を行為者が攻撃し始めた段階で実行の着手が認められ、電子計算機使用詐欺罪においては被害者側の電子計算機に行為者が働きかけを行った時点で実行の着手が認められる、とのものである。b)研究では、対多数詐欺における錯誤立証の問題点を整理し、比較法的知見を踏まえて、実体法的アプローチを採用するべきことを提唱した。c)研究では、準詐欺罪の従前の議論状況からは、同罪の成立範囲を広く捉える理論的余地があることを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、現代型詐欺がもたらす刑罰法規適用に際する問題点を抽出し、その解決策を提案するものである。現代型詐欺は、複雑に組織化され、手口も多様化し、被害者が多数にのぼりやすいという各種の特徴を持っており、その規制の遅れは、社会における大きな損害を伴うものである。本研究成果により、現行刑法によって現代型詐欺に対応できる限界点を示すことで、どのような場合に備えて立法手当が必要になることも同時に示されることとなる。
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