研究課題/領域番号 |
20K13350
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 中央大学 (2021-2022) 東京都立大学 (2020) |
研究代表者 |
谷井 悟司 中央大学, 法学部, 助教 (00803983)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 刑法 / 過失犯 / 正犯 / 共犯 / 注意義務 / 結果回避義務 / ドイツ法 / スイス法 / 過失の競合 / 共同正犯 / 統一的正犯概念 / 制限的正犯概念 / 同時犯解消説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、いわゆる過失の競合事案において個人が負うべき刑事過失責任の限界を明らかにするべく、過失犯における正犯性に着目した処罰限定理論を構築するものである。具体的には、過失犯においても、第一次的な責任類型である正犯と、第二次的な責任類型にすぎない共犯とが区別され、過失犯の処罰範囲は前者の可罰的な過失正犯に限られることを示すとともに、過失犯処罰の分水嶺となる正犯性の内実を明らかにし、もって可罰的な過失正犯と不可罰的な過失共犯との区別基準を定立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、いわゆる過失の競合事案において個人が負うべき刑事過失責任の限界を明らかにするべく、過失犯における正犯性に着目し、可罰的な過失正犯と不可罰的な過失共犯とを区別することで、新たな過失処罰限定理論の構築に取り組んだ。具体的には、過失犯においても、故意犯と同様、第一次的な責任類型である正犯と、第二次的な責任類型にすぎない共犯とが区別され、その処罰範囲は前者の過失正犯に限られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は、過失犯における正犯性に着目した処罰限定理論の構築に取り組んだ点にある。過失の競合事案においては、多数の関係者の中から誰に対して刑事責任を追及すべきかが問題となるところ、可罰的な過失正犯と不可罰的な過失共犯とが区別されるべきことを明らかにした本研究は、裁判実務や検察実務に対して、過失犯の成否を判断するための基準や、訴追対象者を選択する際の指針を提供しうるものであり、実践的な刑事過失論として学術的な意義が認められる。 また、上述した処罰限定論は、医療や企業活動といった様々な場面で、各種活動の萎縮への一定の歯止めとなることも見込まれる。この点で、研究成果の社会的意義は大きい。
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