研究課題/領域番号 |
20K13351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
木崎 峻輔 中央学院大学, 法学部, 准教授 (70754076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 刑法 / 正当防衛 / 相互闘争状況 / 裁判員裁判 / 自招侵害 / 正当防衛状況 / 侵害の急迫性 / 自招防衛 / 法確証の原理 / 量的過剰 / 正当化根拠 / 二元説 / ドイツ判例 / 刑事事実認定 |
研究開始時の研究の概要 |
正当防衛が問題になる事案の中でもその数が多く、事案の処理のための理論が難解であり、さらに学説と裁判実務の見解が大きく分かれており議論がすれ違いの状態にある相互闘争状況において正当防衛が問題になる事案について、理論と実務の両方の要請に応えるために、裁判員裁判を前提とする裁判実務において使い易く、かつ理論的にも妥当な処理基準の構築を目的とする。特に、このような事案の処理を担当する裁判員として選ばれた一般市民にとって分かりやすく、また一般常識に照らして適切な結論を導き出せるような判断基準を構築することを重視して研究を進める。
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研究成果の概要 |
相互闘争状況における正当防衛の成否に関する判断について、その判断の本質は被侵害者の態度が「相互闘争状況の拡大」を生じさせる状況において対抗行為の防衛行為性を失わせるというものを明らかにした上で、このような判断を裁判員裁判において安定的に行うために、理論的な見地ではなく率直な事案の性質に応じた類型化を試み、各類型ごとの具体的な判断基準を示すことができた。 また、それに付随して、正当防衛の正当化根拠論としてはいわゆる法確証の原理説によることが妥当であることや、現在の実務の指針となっている最高裁判例である平成29年決定以降の現在の下級審における裁判実務の現状についても検討を加えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
裁判員裁判の導入以降、相互闘争状況における正当防衛の問題については、従来の判例理論の難解さなどをりゆうとして、裁判員裁判において一般市民である裁判員がその問題点を理解して適切な判断を行えるようにするためにはどうすべきかが重要な問題として指摘されてきた。本研究で示した見解は、そのような難解な問題について、理論的な見地ではなく、事案の率直な事実的な性質に着目した類型化を試みることにより、法律知識を持たない裁判員が当該事案の問題点を十分に理解して、適切な判断を安定して行えるようにするものである点において、学術的意義のみならず社会的に重要な意義を有するものである。
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