研究課題/領域番号 |
20K13353
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2023) 杏林大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
尾崎 愛美 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (40805230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 顔認証技術 / 捜査 / プライバシー / 萎縮効果 / 差別 / 公平性 / 顔認証 / モザイク理論 / 公平 / 位置情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、米国をはじめとする諸外国の顏認証技術の利用を巡る議論を参考として、わが国の捜査機関において顏認証システムの適正な利用を進めるにあたっての基本的視点の提示を試みることにある。顔認証技術の利用方法については被疑者の捜索から犯罪の事前予防に至るまで広範囲に渡るが、どこまでが許容されるべきか、いまだその基準は明確とされていない。本研究は、日米の刑事訴訟法、憲法、情報法、法哲学といった異なる法分野において検討されている問題を総合的に研究し、わが国の基幹技術である顏認証技術の発展に寄与することを企図している。
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研究成果の概要 |
米国では、研究者や人権保護団体の運動を通じて、顔認証技術が性別・人種間の偏見や差別を助長させる可能性があることが指摘されてきた(「構造的差別の強化」)。また、顔認証技術の使用―特に公共空間においてデモ活動の監視に使用された場合―は、憲法で保護されている言論の自由の行使を萎縮させる可能性があることも指摘されている(「萎縮効果」)。 顔認証技術利用捜査の被侵害利益である萎縮効果やフェアネスについては、令状審査の段階でこれらを見積もることが難しいように思われる。そうだとすれば、顔認証技術利用捜査について、立法による統制の意義は失われていないと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
顔認証技術をめぐっては、研究者や人権保護団体による運動を通じて問題点が指摘され、報道にも大きく取り上げられることにより、立法に至るという現象が米国を中心に観測されている。ここにおいては、判例による法発展は見込まれず、裁判所が立法論的解釈を示すことも難しい。そこで、本研究においては、顔認証技術利用捜査について、主体・目的・エリア・フレームワークといった各チャートを組み合わせることにより、様々な類型が存在することを明らかにしつつ、顔認証技術利用捜査の被侵害利益という視点から整理を行った。この点において、本研究は、今後の立法に向けた視座を提示することができたものと考える。
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