研究課題/領域番号 |
20K13361
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鶴ケ野 翔麻 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (00779514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 担保 / 所有 / 譲渡担保 / フランス法 / 信用 |
研究開始時の研究の概要 |
日本法における譲渡担保の議論は、そこでいう「担保」という概念の理解について問題を抱えている。この認識のもと、現代のフランス法における担保と所有の関係を論じる一連の議論を整理・分析し、日本法との比較法研究を行う。そこから得られる視座をもって譲渡担保が担保であることの含意を批判的に論じることで、新たな思考枠組みを提示することをも視野に入れながら、譲渡担保の法的構成に関する通説的理解とその前提を再検討する。
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研究実績の概要 |
前年度の実績として既に「仮説の域を出ない」などと留保を付して示していた認識を精緻にしながら、いくつかの成果を公表することができた(別に掲げる「譲渡担保における「物権の分属」の意義(7・完)」と「譲渡担保の実行-そのメカニズムとこれが拠って立つ考え方について」である)。こうした成果の特に重要な部分を本研究課題の問題意識に即してまとめると、こうである。 まず譲渡担保の法的構成に関してである。フランス法における譲渡担保の法的構成を基礎付ける前提として、設定者の信用をどのように構築するか、という問題の存在が決定的である。これに対して、日本法における譲渡担保の法的構成に関する議論では、譲渡担保権者に信用に足る基礎がないことがその思考のあり方を大きく規定している。つまり、両者を比較したとき、信用の問題が重要な位置を占めることは共通しながらも、その重きの置き方が対照的なのである。 そのうえで考えるべきは、譲渡担保が担保であることの含意である。この点については、断片的ながら上記の譲渡担保の法的構成に関する議論の分析から一定の示唆を得ているが、日本法における譲渡担保の実行についての検討からも、担保であることが譲渡担保権者を拘束するものとして作用するだけでないことをその構造を把握しながら示すことができた。もっとも、信用をめぐる思考とこうした担保の概念との関係、あるいは、あるべき思考枠組みなどについては、さらなる検討を要する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
要因は複合的であるが、特に上記の成果を公表するのに時間を要したことが大きい。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長した上で、不十分な点を補いつつ、成果の公表に努めたい。
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